その22 | もっと!! り フォームおじさん?

もっと!! り フォームおじさん?

かわいいかわいい 姫ウズラの育ち様は如何ッスか?
ちっさいちっちゃい姫ウズラの生き様は如何ッスか?
新米姫ウズラーの奮闘記は いかがっすかぁ~
と思ったんすが、いろんなモノのフォームを変えてるリフォームおじさんの育ち様でいいっすか?

翌日、目と鼻を真っ赤に腫らせた松木はマルシチに

泣けるなぁあれ!一気に見ちまった!

『どっちが泣けました??』

どっちもだ! マル!自民党の不破さんに会いたいんだがアポとれるか?

マルシチは( ̄ー ̄)ニヤリと微笑って『たぶん』と答えた。『あー』

『あ〜』 

『ああ〜』

『ああー うんん、、』

マルシチの声は一度ギャルの声のように周波数を上げたかと思うと、少し周波数を落として大人の女性声になった。デスクの電話の受話器を取ると、外線を押してソラでプッシュホンを押した。

『もしもし、お忙しいところを大変失礼致します。わたくし赤羽の松木電機代表取締役社長、松木 正の秘書を致して折ります 峰と申しますが、大変突然で恐縮では御座いますが、御党の不破先生に御挨拶を差し上げたいと考えて降ります。何卒御取次戴けませんでしょうか?』流暢な秘書ぶりに松木は、名前は【不二子】だな、とつぶやいた。

『はい、、、、、はい、、、ありがとうございます!、、はい! もちろんで御座います。はい!、、では、何卒宜しくお願い致します。はい、、、、失礼致します。御免下さいませ、』   ガチャリ

ふーっ!   電話をしてない松木のほうが大きくため息をついた。

『とりあえずお伝え頂けるそうです。』


程なくして、電話のベルが鳴った。マルシチは不二子の声で、『はい、松木電機 峰で御座います。』

驚く事に電話は日本国現与党、自由民主党の不破 茂その人からの直電であった。



待ち合わせは新橋駅前、まるで同僚との飲み会の待ち合わせをしているようだ!
待ち合わせ時刻5分前、後ろからポンと肩を叩かれた。松木は はいっ! と大声を出して後ろを振り返った!
目の前には野球帽を深めに被ってジャンパーを着込んだ不破 茂 そのひとであった!
先生! またもや大声を出した松木に不破は シーッ と、ニコニコしながら口の前に親指のような人差し指を立てた。 
「あっ!名前で呼ぶのもやめましょう ただでさえ体格で目立つので、小声で先生なら恩師と飲みに来たように見えますかっかっかっかっ!」松木は心臓が口から飛び出しそうなほどびっくりしつつも、スタスタと歩き出した不破についていった。不破はまるで迷いもなく、新橋駅前の路地をするすると進み、【ひろ咲く】という蕎麦屋に吸い込まれていった。そして入口近くのカウンターにどっかりと腰をおろした。
か、カウンター !   またもや松木はドキドキしたが、ヘナヘナと不破の隣に腰をおろした。
不破は終始コソコソ話のような小声で、「いいですかここで?」とニコニコ顔を出されたおしぼりで拭いなから尋ねてきた。
もちろんです!  落ちついて来た松木もおしぼりで額と耳の周りを拭いなから、店内を見渡すと、佇まいといい、メニューといい、親方といい、蕎麦屋というよりそば割烹のようだ!!   いいっすね~ 
「はじめましてなのにすいませんね!じっくり話せるほうが良いかなと、」
こちらこそはじめまして!松木です!この度は! また声が上ずりながら声が大きくなる松木に、不破はまた人差し指を口の前にした。いくぶん笑顔が消えた不破の目は全身が固まるほどのオーラを一瞬放った。
し、失礼。  よ、良く来られるんですか?  
「ここはねぇ 何食べても美味しいんですよ!しばらくご無沙汰でしたが、昔なじみです。」不破さんは軽く親方にうなずきかけると、親方も桂剥きをしながら軽くノールック会釈をした。  カッコイイ!!

生ビールで乾杯した後は、何も言ってないのに次々に出てくる料理に舌鼓を打ちつつ、不破の料理のワンポイントアピールをふんふんと聞いていて、二人は完全に店の一部に溶け込んだ。
ビールが熱燗に変わり、鯛の刺身にカラスミがかかった旨いのが出てきた頃、不破がボソッと言った。
「アレが潜水艦に使われたらまずいでしょう!」
ぷっ! 熱燗か不破の言葉かにむせ込んだ松木は、不破にぽんぽんと背中を叩かれながら 販売先の管理は差し当たり完全です。しかもまだ乗用車サイズのモーター流通も見送って折りますゆえ、、、、
「なかつくには真似しんぼですぞ!」
テレビで見た不破節だあ!と松木は子供のように感動しながらも、モーターのエッセンスマグネットの製造法は門外不出 ですから。
「うん。何にしても取り扱い要注意ですぞ!下手をするとホントに沈黙の艦隊が出来かねない。」
!!、、、アレはカイエダが実在しない限り無理な話でしょう!!
「日本の海自は優秀ですぞ!」
ですね、本件に関してはまた、じっくり御相談致します。ときに、本日、、、
「公認ですね」   言葉を遮られた松木は、アルコールで程よく赤くなったエビス顔の細い目を覗き込んだ。
「ボクは色んな人から睨まれてるからなぁ」
ワタシ全身全霊で押し上げます!
「いやいや、ボクが押し上げる事になるかも知れませんぞ」
松木は閉口した。
その後の話はドローンやら、新橋駅前のSLのことやら鬼滅のナンタラやらで盛り上がり、「そろそろおイトマしますか!」と立ち上がり、「親方ご馳走さま」と、会計もせずに暖簾をくぐった。店の前には黒塗りのレクサスがゆっくり止まり、降りてきた背広の男が後部ドアを開け、不破が流れるように乗り込むとドアを締めて助手席に乗り込んだ。車はゆっくり動き出しながら後部座席のパワーウインドウがゆっくりと空き、不破が「ボクなりに最善を考えておきます。」と笑顔で話すと、新橋の車の流れに吸い込まれていった。
ポカンと口を開けた松木は、、、、これが国会議員か!