ジープの中に居る限り、どんな動物にあっても安全です。
それは、百獣の王、ライオンでもです。
動物はジープを1つの大きなガソリン臭い生き物と捉えているようで、人間がジープを降りたり、ジープの中ではしゃいだりしない限りは、「また、ジープか」と放っておいてくれます。
ジープはサファリ・ガイドが運転しています。
ライオンの様子を見て、ライオンに敬意を払い、ある程度のスペースを開け、ジープを止めます。距離は約5-6メートルぐらい。こちらから挑発するようなことはしません。
ジープを止めて、暫く観ていると、寝転がっているライオンは2-3分に一度は目を開けてこちらを見ています。目を瞑っている時はあたかもお昼寝中に見えますが、開いた時の目はちゃんと覚醒していて、真剣そのもの、寝ぼけ眼ではありません。
こんな逸話を聞きました。
ある時中国人観光客の夫婦がジープでサファリを回っていたそうです。幸運なことにライオンの集団を見かけました。日中だったので、皆ゴロゴロと寝転がっていました。それを見たご主人は、寝ているから大丈夫だろうと、妻に写真を撮ってもらうために、車を降りてライオンに近づきました。真に残念なことに妻はご主人の最期を写真に収める事態になってしまったとか。
ライオンは寝ているように見えても、常に自分の周りの状況を把握しています。自分の身の危険を感じるようなことがあれば、直ぐにも身を翻し、自己防衛できるようにしています。
考えてもみれば、当たり前なのかもしれません。
人間だって、人間同士にある程度の「距離」は欲しいですし、知らない人が、無闇に近寄っ て来たら、危険を感じます。サファリ内の縄張りを「家」と考えれば、私たちが、お宅訪問を勝手にさせてもらっているわけで、そう考えれば、動物たちはジープで乗り込んできた私たちをとても 寛大に受け入れてくれていると言えます。サファリ・ガイドが取る距離は動物に対する敬意なのでしょう。
サファリの中の宿泊地には「柵」がありません。野生の動物がいつ出てもおかしくありません。そのため、日が落ちると外出禁止。夕食から部屋に帰る時は朝の起床は、誰かスタッフの方の同行が必須となります。
サファリ・ガイドに因ると、ライオンは人間に対して、とても敬意を払っていると言います。余程の事が無い限り、人間を襲うことは無いそうです。
その人に夜、誰かに同行して、ライオンや他のビッグ・キャッツに遭遇したら、どうするのか、聞いてみました。
「まず、立ち止まる。彼らの獲物は逃げる習性があるから、逃げると獲物だと思われるから。でも、黙って立って、彼らにスペースを与え、待っていれば、その内立ち去っていくよ。」
彼らはサファリを「ブッシュ(Bush(低木地帯))」と呼びます。
ブッシュの礼儀作法は、動物がリラックスできる距離をとり、彼らに敬意を払う、なのだと思いました。動物を下見る人間の方が、人間ができていないのかも知れません。
写真は、ライオン3兄弟。異名を「ヒポ兄弟」
ヒポとは英語でカバの言葉を指す、hippopotamusの略。3匹で簡単にカバをも仕留めたからだとか。その頭蓋骨が、ロッジに飾ってありました。
この子は目に傷がありました。狩の爪痕なんでしょう。

