いま一番読みたかった本が届きました。
数学は苦手ですが、数学的思考はビジネスには不可欠。誰か二項分布についてマンツーマンで解説してほしい(笑)。東女数学科OGの○○さんにお願いしてみるか。
しかし、USJで名を上げた森岡さん、数多マーケッターと称する人がいる中で、P&Gで鍛え抜かれたにせよこれだけの体系を作れる人は少ないです。同世代にはすごいのがいるなあ。
ESは従業員満足のことですが、先日、先の熊本大地震に遭遇したふたつの会社から奇しくも、まったく同じエピソードを伺いました。
ひとつはA社
水やウエットティッシュ、オムツなどが不足し、行政の拠点にはあるのに避難所まで行き渡らない状態の中、被災中の営業店舗で水1ケースが従業員全員、社員、パートアルバイトに関係なく配られました。そしてオープン前、外には開店をいまかいまかと待つお客様がいらっしゃいましたが、まず従業員に買物をさせました。オープンすればすぐ必需品はなくなります。ですが、A社は近隣店舗からトラックでピストン輸送を続け物資をきらせませんでした。他のお店はオープンしてもすぐに商品がなくなる中で、営業時間ギリギリまで商品を供給し続けたのが、A社です。
初動は不眠不休で働かねばならなかった、あるいは家が倒壊し、家族が避難所にいる中でも出社し、最前線で頑張ってくれている従業員に報いるために、社長が実施したことでした。
士気は当然あがり、応援にかけつけたメーカーさん、ベンダーさんもその統率の高さに驚いたそうです。応援スタッフも先陣、中陣、後陣に分け、部署横断で要員計画を図り、十分休養もとってもらう。
そして店舗を修繕してくれる工務店さんとの関係づくりも素晴らしい。職人さんたちも被災しました。でもその企業の依頼ならすぐにやらねばと考えてくれるかどうか。日頃の関係性がものを言います。期日を守るか、支払い条件は誠実か。その企業は実にリカバリーがはやかったのです。
B社はテナント企業。
テナントではいっていた店舗が再開できないままのとき、必需品があるならもって帰れという指示を出しました。店舗は従業員が揃わず、しかも本部の指示もない。テナントの社長は、「何を買ったかリストをつくれ、あとですぐ支払う。もし越権というならいつでも出て行く」と言ったそうです。
じつは、その店舗の従業員たちも本部判断がこず、困っており、そのテナント社長の指示に従ったそうです。
後にこのテナント会社は店舗企業に感謝されたそうです。「あの非常時によく適切な指示をくださいました」と。
2人の社長のポリシーは、
「まず、我が店の従業員を守る」ということ。
本当の顧客満足は従業員満足があってこそということを危機のさなかにあらためて示しました。