旧知の慶應SFCOBの誘いで、すずかん先生の公開ゼミを聴講。いまの私の仕事に直結する話に感激。
同ゼミOBでもあるカヤックの柳澤さんの話はやはりよかった。
カマコンバレーで知られる彼は、香港生まれ。鎌倉育ちではあるが、強烈な原風景が鎌倉にあるわけではない。そこでまず言葉を作った。
「面白法人」
「面白い」を上位概念に持ってくると、なるほど面白い(笑)
資本主義とは突き詰めれば、マネーゲームの勝者と敗者が生まれる世界。しかしいつも勝つ奴が決まっているようなゲームは面白いのか?
もちろん成果を出して、稼ぐことも面白いし、お金を持ってなくても、なんとなく食べられて、気の合った仲間たちと騒ぐのも面白い。都市も面白いし、田舎も面白い。海外も面白いし、日本も面白い。面白くなるかどうかは本人次第。面白いことをつくる人をつくる会社がカヤックの経営ポリシー。
すずかん先生は、それを受けてイリイチの「コンヴィヴィアリティ」を引き合いに、言葉の概念と定義の重要性を説く。
「コンヴィヴィアリティ」とは、宴、ともに愉しむという意味だ。ときに効率最優先の産業思想の対として使われる。
かつて旧職時代、すずかん先生がSFC助教になられたばかりの頃、編集工学研究所で何回かインタビューをさせていただいた折、現象を読み解く際に、言葉の定義を丁寧に教えていただいたことを思い出す。
「コンヴィヴィアリティ」から働き方、幸せの再定義まで、話は広がる。若いゼミ生たちは、それに導かれるように地方に飛び込んでゆく。自分たちの知的探索の旅をつくる。
すずかん先生らしいなと思ったのをもう一つ。
「ビジネスモデルとか、マネタイズとか、そんな話しかできないツマラナイ奴になるな(最近のSFCの悪いとこだ)」
たしかに、そんな言葉を言う奴に限って稼いでいないし、なんとなくしあわせでもないような気がする…。
あー、反省…。