チェーンオペレーションを「画一的」「没個性」と理解している人がいまだに流通業にはけっこう多い。

 

しかし、たとえば成城石井という優れたスーパーマーケットがあるが、この店舗を見て「没個性的だなあ」「画一的な売場でつまらないなー」というお客さんはあまり見かけない。

 

しかし、この成城石井という会社、れっきとしたチェーンオペレーションを実践している企業である。

 

もう少しいえば、セブンイレブンも「画一的」「没個性」の典型的な企業だ。もちろん地域性に配慮した品揃えはある。しかし9割がたのMDはどこも同じだ。

 

誤解を恐れず逆説的に言えば、成城石井も、セブンイレブンも「画一的」「没個性」であること自体が、かれらの「独自性」「個性」を生み出している。

 

だからセブンはローソンとちがうと人々に認識され、成城石井もまた然りだ。

 

では、チェーンオペレーションとはなにか。

 

それは、多店舗を効率的かつ合理的に運営する原理原則でありノウハウのことだ。

 

もっといえば、多店舗であることが地域のお客様にとって「個店」以上のご利益にならねばならない。なぜならチェーンオペレーションをおこなうのは企業であり組織である。利益と雇用を生み出すためには一定の規模が必要だ。

 

成城石井の原昭彦社長は、チェーンオペレーションと「個性」の相乗効果をいまもっとも理解して実現している人だろう。新しい価値創造とはこういう組織が生み出していく。

 

「売り切る仕組みは、『売場づくり』『効率的な物流』『教育体系』」の3つ」

 

「きれいな売場」よりも「生き生きとした売場」

 

ほんとうに美味しいもの、より健康によいものをお客様に手に取りやすい価格で提供できるように挑戦し続ける同社の取り組みはこれからも要注目だ。