ネットで劇団四季の佐藤政樹さんが、「プロとアマ」の違いを11の項目にまとめていらっしゃいました。

久しぶりにしっくりくる「まとめ」でした。引用しつつ、私なりの解釈入れて10の項目にまとめて列記したいと思います。


1)あいさつがすべて

→面と向かっての挨拶は当然だが、お礼や感謝をどう伝えるかというのも大切。ユニクロの柳井さんもお送りした書籍には必ず書評を加えてご返信される。経営のトップは気配りの人であると思い知らされる。

田中角栄秘書だった早坂茂三氏が、角栄から「お辞儀がなっとらん」と叱られたのはよくわかる。とくにジャーナリズム出身の人はプライドが高い。腰から90度曲げるお辞儀はできない。それができるかどうか。


2)不調でも取り組みながら元気になっていく

→不調でますます疲弊して、休むのがアマ。プロは不調でも仕事をしながら回復のきっかけをつかもうとする。この歳になると「あっ、いま無理をしてはだめだ」と不調と好調の波がわかるようになる。うまくいかないときは、「別の方法を考えよ」という啓示と思って行動できるかどうか。その分休むときには思いっきり休む。


3)高い自己基準

→目標と現実のギャップに打ちのめされるのがアマと佐藤さんは言う。私は生来楽観主義だが、ゴルゴ13を愛読しているためか、「最悪」は常に想定して行動しなければと思う。実際できているかどうかは別にして。またゴルゴ流にいえば「依頼者が100%信頼するに足る絶対的な技量」を持つことを心がけねばならない。ビジネスは地位につくのではない、依頼者(顧客)とその信用があってはじめて成立する。そして信用こそがリスクとコストを最小にする。


4)短期集中

→若いときは質より量、量が質に転換するのを待たねばならない。だが歳をとれば常時全力では体力が持たない。やはり集中してパフォーマンスを最大化できるかどうか。これがキャリアがあるかないかの違い。


5)うまくいけば思い切り喜ぶ。だが切り替えもはやい

→佐藤さんの修業時代のエピソード。芝居が成功し、皆で余韻に浸り、このメンバーで翌日遊びにいこうと盛り上がる中、翌日からルーティンを磨いていた人がいた。その人はのちに誰もが知る大スターに。余韻の共有も大事だが、そこに溺れてはいけない。


6)常に改善し続け、エッジがとれないように意識する

→これは現在痛感。現状に甘んじて摩耗していることに気づかない。引き出しもすべてからっぽになっていく。キャリアを積めばそれなりの成功のパターンができてくるが、環境の変化は恐ろしい。そのキャリアが5年後、10年後も通じるのか。墨子に曰く、「人は得意技によって滅びる」。人は常に学ばねばならない。


7)明確な型を持つ

→「守破離」。型は歴史の積み重ね、淘汰が生んだ洗練。原理原則ともいう。人類知ともいえるこの型をまず身につけずして、新しい展開を模索する方法はない。可能性、因習打破の礎。ただしこの型をある程度のレベルまでに身につけるには時間がかかる。


8)ひとつひとつの行動や所作に意味があることを知っている

→プロはカフェで運ばれてきたお茶一つからも学ぶ。石田三成ではないが、絶妙なタイミング、温度加減、言葉のかけ方・・プロは相手を自然な快適に導く。そしてプロはその「自然」さの陰にある「本物の力」を見抜く。


9)力まず自然体

→すごい人だなと思う人は、努力も成果もアピールしない。成果が出るほどに謙虚になる。仕事は報酬、損得ではなく、内容と善悪で引き受ける。小さなことにも大きなことにも全力をつくす。日本人的だねと言われるかもしれないが、私はやはりそこに学びたい。成果やその内容の評価は「当たり前」なのだから。


10)自己をコントロールし、並であることを保つ

→剣道でいうところの「居つかない」境地だろうか。「居つく」とは様々な外的変化に影響されやすい状況をいう。よって好調不調の波に飲み込まれやすい。モチベーションの振れ幅も大きい。何もとらわれない「剣心一如」になれるか。まだまだ程遠いが・・。