デヴィッド・ボウイ死す…音楽は触れたことなかったけどやはり「戦メリ」の印象が強烈に残っている。

有名なヨノイ(坂本龍一)との抱擁、パブリックスクールの寄宿舎で幼い弟を守り切れず後悔し、実家の薔薇の花園で唄う彼を思いやる回想シーン…男性しか出てこない大島一流の映像美学にあって男の色気にうるさい塩野七生もエッセイで「これほど整った造形」とシャッポを脱いだそうだが、ほんと男も惚れてしまう色気を纏っていた。

暴力のみの世界に愛で立ち向かうことに意味があるのか。これは「愛のコリーダ」にも通ずる大島の哲学。彼は見事に体現している。

そういえば彼は原哲夫の作画から抜け出てきたようだ。いや原が彼をリスペクトしたのだろう。だから原の描く漢たちには皆色気があるのだ。

「戦メリ」、久しぶりに観たくなったな。ご冥福を祈ります。