きのうアップしたエディさんの本、付箋と書き込みだらけになりました(笑)。
およそ組織というものにすべて当てはまる箴言の数々。
W杯以前に上梓された本ですが、W杯後の会見内容とほとんどブレがありません。やはり彼の培ってきた経験則は普遍性があるのでしょう。
さて、それでもエディさんが読めなかったところがあります。
「スタッツ」とはスポーツにおける重要指標というような意味ですが、
同書では、エディさんはジャパンの「キックとパス」の比率は「1対11」が勝利のセオリーとありました。過去のデータから導き出されたものです。
パス比率がこれ以上多ければ、戦略が読みやすくなり、相手の戦略オプションをプラスに絞らせてしまう。低ければ日本のユニーク性を失い、やはり相手につけこまれると考えていました。
ラグビー一流国では「1対4」だそうです。
ちなみに、2015年W杯の日本のプール戦を振り返ってみると、
南アフリカ戦 1対3.4
スコットランド戦 1対16.9
サモア戦 1対5.9
アメリカ戦 1対6.1
とのこと。
劇的な勝利を挙げた、スプリングボクス戦は、なんと一流国のキックパス比率で堂々と渡り合っていたんですね。しかも日本のユニーク性を失わずに。
逆に大負けしたスコットランド戦は、エディさんが言う通り、パスが多すぎて相手が読みやすくなったわけです。まさに必然の負けだったことがわかります。
勝利したサモア、アメリカ戦も一流国の比率に近い。
つまりスタッツはW杯本番で大きくデータを更新したことになります。
これこそジャパンの成長そのものなんでしょうね。
今回の結果がデータベース化されアルゴリズムがつくられるのかもしれませんが、大事なことはスタッツはあくまでも過去であり、未来への成果を出すためには、やはりピッチ上の流れをみる「職人芸」が不可欠のように思います。
エディさんはそれを「アート」と「サイエンス」という言葉で表現していますが、
こじつけていえば、流通ビジネスも「アート」と「サイエンス」がキーワード。
データをどう読み解き、現場に生かすのか。戦略決定に用いるのか。
今回のW杯では過去とはまた違った気づきをいただきました。
あらためてラグビーに乾杯です!