かなりいまさら感がありますが、政府が「かかりつけ薬局」づくり推進で、高騰する医療費(医薬品含む)を抑制するという報道がでました。薬歴も一元化し、薬の重複、飲み残しなどを防ぐ狙いだそうです。


まあ、私も月刊MDで調剤関連の取材を重ねてきましたら、いうわけではないですが、ここだけ読めば、なにをいまさら・・です(笑)。


ポイントは、いままで「医薬分業」推進の流れのなかで、病院内、病院敷地内に薬局をつくることを規制してきました。


それを撤廃するそうです。


こうなるといままで病院の門前に店を構えていた人たちが大変です。どう考えても、院内あるいは病院敷地内で薬局を構えたほうがよいに決まっています。


いままでは規制のため、病院内にコンビニやスタバはあっても、ドラッグストアや調剤チェーンは出店できませんでした。


ひょっとすると、その規制がなくなり、病院の一等地をめぐって熾烈な争いがはじまるかもしれません。


ただその場合(院内出店)、処方箋が増えるのはいいのですが、いままで「医薬分業」の金看板をもとに薬剤師は「指導報酬」をもらってきたのですが、院内に戻るということは、それがなくなるのでしょうか?家賃の設定もどうなるのか。


また、院内ですと、病院の偉い先生方の手前、銘柄処方がまた復活しそうです・・。


便利になったけど、薬代が高くなった!ということもあり得ます。


はたまた院内薬局と院外薬局という違いで、重複処方や飲み残しがなくなるというわけではないでしょう。


まあ、利便性と公平性をはかりにかけて、はたまた既得権も絡んでいろいろな綱引きが行われるのでしょうが、


月刊MDの主張は変わらずです、かりに院内に調剤が戻ったとしても、


「あの店は便利でいろいろな健康相談ができる人が揃っている、だから行きたい」


と言ってもらえるお店をめざす。


在宅医療を選択したときも、気軽に相談にのってくれる店、地域の医療機関の信頼の厚い薬局・・、生活に必要なものが一通り揃ってしかも値ごろ。こんな商品もあったんだ!というプラスアルファが見つかる店。リテールテインメントも大切です。


ドミナント戦略とあいまって、これらが地域の店舗ブランドをつくります。


規制(撤廃)でビジネスモデルがぶれてしまう商売だけはやってはいけない。


商人道にいう、「大名貸しの禁」です。