ファミリーマートとユニーグループの経営統合に向けた話し合い開始は、すこし驚きました。
ただ一般マスコミは、「コンビニ」軸で語られることが多いようです。
コンビニの商流は基本商社系列です。
セブンイレブン 三井物産
ローソン 三菱商事
ファミリーマート 伊藤忠
ファミマからすれば本来サークルKサンクスの店舗数だけがほしかったのではないかと思いますが、
ユニーの食品スーパー業態、GMS、ショッピングモールをどうするのか。
長崎屋、マイカル、ダイエーなきあと
第三極の流通グループとして孤高を守っていたユニーですが、
経営統合の過程で、どのように事業を整理していくか、注視しています。
あえてコンビニ軸ではなすと、
以前取材したセイコーマートの丸谷社長は、コンビニはエリア単位でトップ2しか生き残れないのではないかとおっしゃっていました。
エリアをどう区切るかというのはまた重要な問題ですが、
たとえば北海道では、セイコーマート、セブンイレブン
北東北ではセブイレブンと、ローソン・・というイメージでしょうか。
先週セミナーにうかがった「デュアルブランド」の時代も反映していそうです。
殊、食品にいたっては、セブン&アイグループ、イオングループが一流メーカーと一緒にプレミアムストア(プライベート)ブランドを創る時代です。
これはバックにある商社系列の原材料調達、加工プロセス管理ともども囲い込む競争がはじまっているということです。
食品表示改正の観点からいえば、製造責任、製造プロセスの情報開示が今後は求められます。
また円安基調であれば、買い負けも響きます。
もちろん商品を作った先の売り先(販売力)も大切です。
よい商品をつくって店舗におけば売れる時代はとうに過ぎ去っています。
セブンイレブンはあらゆるデータを駆使して「売り方」を開発します。セブンイレブンはよい品質であれば売れるとは思っていません。「売り方」を同時に開発して1円でも売上を伸ばそうと努力しています。
「店舗数=販売力」ではありません。
けっこうこのあたりを誤解している人も多い。
「店舗数」が増えれば販売数量が増えて、仕入のスケールメリットがでると、
経営系の雑誌にも新聞にも書いてありますが、
そんな単純な理屈は、現場のプロには通用しません。
いくら店舗数があっても売り切る力(セルアウト)、継続して売る力がなければ、
仕入(取引上)による利益のインセンティブは得られません。
小売りチェーンもセルイン(配架実績)だけでリベートを稼ぐ時代は終わりつつあります。
優れた小売りチェーンはオペレーターとしてマーケティング機能強化、需要予測技術を日々磨いています。
有力メーカーはこの激変の流通界にあってどのチェーン小売と組むべきか、必死に情報を集めています。
であれば、経営統合の眼目のひとつは、
「売れる店舗」「売れるフォーマット」の開発がすべてです。
一緒になることで、たとえば売上、客数は1店舗当たり増えるのか否か。
トータルでは増えますが、まずは一売場、一店舗から「売り方の革新ははじまります。
M&Aが金融屋さんのお遊びにならないことを願っています。