月刊マーチャンダイジング4月号が届きました。
第一特集は、このところの欧州チェーンのプライベートブランド(PB)、ストアブランド(SB)のポジショニング、品質に感化されて、食品PB・SBを切り口にチェーンストアブランドの「品質」について検証、提言を行っております。
とくに日本の二大流通ブランド、セブン&アイ、イオントップバリュと欧米チェーンストアの食品PB「表示」を比較例証した論考は、手前みそながら、ほかでは読めない「インテリジェンス」と自負しております。
商品比較というと、すぐ「味」や「容量」などを切り口にするパターンが多いのですが、「表示」はまさしく「品質」を決めるフレームワークであり、チェーンストアはまさしく「使う人の立場」にたって「品質」を決めなければなりません。
長らく日本のチェーンストアPBSBはプライスブランドばかりがクローズアップされ「安かろう悪かろう」の代名詞がついてまわりました。
しかしながら、先の二大流通チェーンをはじめ、ユニクロさん、ニトリさん、良品計画さんなどの製造小売業、カインズさんやサイゼリヤさんといったトップチェーンのたゆまぬ努力が、「チェーンストアによるクオリティブランド」の立ち位置を大きく向上させました。
ドラッグストアでもコスモス薬品さんのストアブランド「ON365」シリーズは、たとえばパック味噌汁も一袋当たり(一人当たり)の熱量表記、栄養表示を行っています。
この表示の単位を決めることも「使う立場になって」の表れです。
欧米チェーンでは、この熱量、栄養表示が、1日の摂取目安の何%にあたるかという表記を行っています。しかも「カット野菜」のパッケージまで。
生鮮売場では、「鮮度」が売りになっていますが、そのキャベツ、レタス、じゃがいもなどが、一食あたりどのような熱量、栄養となって摂取されるかという情報は店頭にありません。
これはすべてレシピ任せです。
ready mealやお弁当などの加工食品は、1パッケージあたりの摂取量の目安を表示することで、「一般生鮮」とは異なる情報発信を行い、消費者に新たな「食」のアプローチを試みています。
日本人がとくに気にする、原料原産地表記、プロセストレースなどもIT技術の進展で日本オリジナルの「表示」「品質」も今後出てくることが期待されています。
朝採りの野菜を直接店頭に納品しても、一定の低温で物流が完結されないかぎり、鮮度と味、栄養は失われます。であれば、コールドチェーンが発達した「加工野菜」のほうが実は栄養価も高く美味しいという現象も今後はより顕在化してくるでしょう。
そういう信頼、信用をつくりあげていく試みがこの「表示」なのです。
月刊MDしか読めない鮮度抜群の情報をぜひに。