以前、ブログでしまむらさんの4月以降も総額表示維持という話をとりあげました。
このところ相次いで、ファーストリテイリングさん、無印良品さんが、総額表示維持(価格変更せず)という意思表明をしています。*無印さんは全体の75%くらいが据え置き
3%増税で総額が変わらないのは実質値下げということですね。
従前から私も申し上げておりましたが、4月以降は体力のあるチェーン企業とそうでないところの「差」がますます広がるでしょう。
ただし、値下げの努力は「自己のコスト構造」の変革によるものであることが前提です。
たびたび石田梅岩をとりあげますが、
取引先に対する無理強いや二重利益はご法度。
商人は「算用の詳しさをもって」、値下げをはかり、天下にお金をまわす役割を担います。
それでもどっかの似非経済学者が、「値下げは悪」という論を振りかざしますから困ったものです。
家計の節約は家計にとってちがう投資を生む源泉です。
「公共」という概念がたぶんまったくわかっていないんでしょうね。
値下げをすると、体力のない中小商店が価格競争でつぶれる・・という人もいますが、
そうであれば、取引規模によって原価を決めることを禁じる米国の「ロビンソン・パットマン法」の精神を日本の流通法規のなかにちゃんと入れればいい。
大手だって中小だって、零細店だってみな「原価は同じ」を原則とすればいい。
そのうえで各社の工夫(サプライチェーン技術)を競うような形にすれば公平です。
そういうことなしに、企業の正当な努力も評価されない・・これでは流通業の発展は見込めないでしょう。
増税を機に、便乗値上げもちらほら出てくるでしょう。
もちろん輸入原料は為替変動もあり、一企業の努力だけではどうにもならないことがあるというのは十分理解できます。
それでも、総額表示維持を断行する企業もある。素晴らしいと思います。
まあ、私はどちらかといえば、本体価格と税は別表示にしてもらって、「本体価格」という企業努力の部分は消費者の皆さんにちゃんとお伝えすべきだとは思います。もちろんそのうえで総額表示併記にする。お客様の利便性を考えれば総額表示のほうが大きいほうがよいでしょう。
いずれにせよカウントダウンがはじまりました。
4月以降の各チェーンの動向は注視しなければなりません。