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2月号のトップインタビューとして掲載したdunnhumbyのSimon Hay氏インタビュー。

先月の英国取材を時折思い起こします。

印象に残った言葉はいくつもありますが、中でも、

「顧客がなにを買ったか、ではなく何を買わなかったのか」。

英国テスコのインテリジェンス活用における問いの立て方の基本です。

たとえば、日本のセブン&アイのnanaco。これはIDPOSにはなっていませんが、もしそうなっていれば、

ある顧客が、セブンイレブンでもイトーヨーカ堂でもセブンネットでも、赤ちゃん本舗でも、

なにを買って、何を買っていないかがすぐわかります。

商品軸ではなく顧客軸で考えること、これがすべての根幹です。

たとえば、この人が小さな赤ちゃんを持つ主婦だとしましょう。

イトーヨーカ堂のネットスーパーを利用し、赤ちゃん本舗でベビーカーは買っていても、そのどちらのチャネルでもオムツやミルクなどの消耗品、肌着、布団などを買っていなかったとします。

たぶん別の安いチャネルで買っていることは容易に想像がつきますが、

ネットスーパーの履歴をみると、ある種のオーガニック志向が見てとれたとします。ひょっとして赤ちゃんがアトピーなどで肌着なども特別なものを用意しているのかもしれません。

商品軸から入れば、アトピー用のフードや肌着や布団などはイトーヨーカ堂でも赤ちゃん本舗でも用意されているのでしょう。

店舗としては、それらが目的の人にも対応していると胸を張るでしょう。

ですが、買っていないということは、その商品が顧客ニーズとズレているのではないかという考えを想起させます。

これが顧客軸の発想です。

おそらく、他チャネルが提供する商品が優れており、せっかく一度は耐久品を購入してくれたのに、その後のリレーションシップは継続していません。

あるとすればポイントだけです。

ポイントに対するロイヤルティは増しても「この店舗で私のニーズはすべて揃えられる。さすがはヨーカ堂」にはならない。

つまりストアロイヤルティは高まりません。

なかなか外に出られない自分の基本的な買物とアトピー用のベビー消耗雑貨を一箇所で、しかもリーズナブルに揃えられ、またなにか不安が生じた際に気軽に相談ができる仕組みがあればどうでしょう?

これはなにを買ったか、ではなく何を買わなかったのかという問いの立て方と、それを読み解くデータベースが重要になってきます。

この顧客セグメントをマスにしていくことが日本でも今後大切になっていくように思います。







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