定番(ステープル)売場に対して、期間限定の催事売場をプロモーション売場といいます。


より実務的に言えば、定番は13週連続で扱い、展示し続ける売場であり、欠品、すなわち機会損失を嫌います。


ようは売り続けるべき商品が主役になる売場なのです。


これに対してプロモーション売場は13週以下で展示し、売り切ってしまうことが重要になります。


季節性の高い商品を目に付くところでぱっと売り切る。


通常、チェーンでは売上の8割が定番売場からのもの。催事は2割と言われます。


ですが、季節を敏感に反映するプロモーション売場をいかにうまく展開、活用するかは、


店舗、チェーンの商圏におけるポジショニングにかかわる重要な戦略になります。


アメリカのチェーンはカラフルで、「こういう切り口があったか」といつも感心させられます。


次の3枚は、日本リテイリングセンターの渥美六雄氏からお借りした米国チェーンの季節催事売場です。


定番棚に組み込まれたものもあります。



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これは、いまものすごい勢いで伸びているダラージェネラルの「BBQ」売場。


ワンプライスとは思えないほどの品ぞろえです。



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これはターゲットの「キッズのレイン対策」。かわいいですね。


こういうシンプルだけど必需品であり、ぜったい買いたくなる売場は意外と少ないのではないでしょうか?


「コーディネーション」技術のなせるワザです。



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ウォルマートの「庭で水遊び」。これもウォルマートらしいですね。低頻度の商品を季節限定でいくつかの品種と組み合わせて売り切る。


これを「コレクション特売」といいますが、日本のドラッグストアでももっと試されてよいプロモーションの一類型です。


ちなみにこの3枚の写真、店舗はばらばらですが、春から夏への移り変わりを感じますね。


色も緑→ピンク→青へ。


この季節とカラーリング、そして見事なコーディネーション、品種構成、


これらの要素がシンプルにあいまって「買いたくなる」売場をつくりだしています。


日本のドラッグストアでは「足し算」の売場が多いですが、


米国流、絞り込みスタイルの「引き算」売場でもこれだけ楽しい売場がつくれます。