きのうは、売上の分解公式について簡単ですが解説しました。
きょうは利益についてです。
小売業において重要な利益は、
粗利益と営業利益です。
きょうは粗利益について。
粗利益とは商品販売で稼ぐ第一段階の利益です。
分配率管理など経営のベースとなる数値です。
式は、
売上ー売上原価(=仕入原価)です。
粗利益÷売上×100で求められる数値を「粗利益率」といいます。
よく医薬品は粗利益率が高い、食品は低いという言い方をしますが、
注意しなければならないのが、値入高、値入率との違いです。
商品ロスがまったくない場合の売買差益を「値入高」といいます。
式は
値入高=売価ー原価。値入率は、(値入高÷原価)×100です。
上の式と似ていますが、これは全く非なるもの。
粗利益高と値入高の違いは、
後者が「ロス前」に対して、前者は「ロス後」の数値ということです。
すなわち、粗利益高という小売業における基礎数値を正確に出すための「売上原価」は、
売上原価=期首原価棚卸高+期中原価仕入高ー期末原価棚卸高
で求められます。
つまり実地棚卸をして、ロスが確定した後の在庫額が正確な粗利益高ということができます。
よって正確な棚卸作業が小売業にとってはとても大事になります。
ロスには、欠品、値引きロスや廃棄ロスがありますが、
最近は、価格政策のうえで値引きロスをいたずらに増やさない方法として、「ハイ&ロー」から「EDLP」(エブリデーロープライス)あるいは「EDSP」(エブリデーセイムプライス」を導入しているドラッグストア企業が増えています。
正確な棚卸をするためにもなるべくロスの誤差をなくしたいという企業の考え方が反映されています。
もちろんお客の側にとっても、同じ商品できのうときょうでまったく価格が違うというのであれば価格への信頼をなくしてしまいますよね。
「ハイ&ロー」によるエキサイティング効果はかなり薄れてきているのが現実です。
期間限定のスペシャルプライスはときどき出すけど、基本の価格はいつきても同じ。小商圏において繰り返し来店してもらうためにも重要な考えです。
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