ただいま月刊MD2月号の原稿をまとめているのですが、




食品スーパーマーケットと有力なドラッグストアの商品構成と品ぞろえを比較しています。




その中でいくつか気づいたことを。




今回、食品スーパーさんは




ヤオコーさん、ベイシアさん、ベルクさん




北関東のトップクラスの企業をとりあげました。




ヤオコーさんはおよそ600坪程度の売場面積、ベルクさんも約600坪、ベイシアさんは約1000坪。




そのなかで生鮮売場を除く、日配、加工食品のスペース構成比を調べてみたのですが、




面白い結果が出ました。




ヤオコー 日配20.5%、飲料11.6%、酒類13.6%、ドライ34.8%、冷凍食品5.3%、菓子14.2%




ベイシア 日配12.4%、飲料15.1%、酒類10.3%、ドライ36.4%、冷凍食品7.3%、菓子18.5%




ベルク  日配14.5%、飲料11.8%、酒類13.0%、ドライ36.7%、冷凍食品10.5%、菓子13.5%




いくつかの切り口があるのですが、




目立つのは、ヤオコーさんは日配の比率が高く、冷凍食品を絞っています。




日配の中でも漬物やチーズといったサブカテゴリーの品目数が多く、




顧客にとっては選択肢が多く、値入を高く設定できるアイテムの品目数を増やしていることがわかります。




一方で、価格競争に巻き込まれやすく、値入が高く設定できない冷凍食品は絞っている。




しかしその中でも冷凍食品のなかの売れ筋(冷凍麺)などは他社のプライスポイントに合わせたPBを投入しています。




このあたりの商品構成、品ぞろえの技術はやはりヤオコーさんは群を抜いていますね。




酒の比率が高いのもヤオコーさんの特徴。




ただしそのなかで尺数を多くとっているサブカテゴリーは、




冷蔵ビール、冷蔵リキュールです。




冷蔵ビールは、6缶パックとバラ、輸入ビールが扱われています。




ビールは量がでますがなかなか利益がとれない商品。




バラ単品、輸入ビールが唯一利益を取る方法です。




このあたりも常温ビールの価格競争に巻き込まれないためにはどうするかということを追求しています。




「競争はサブカテゴリー単位で行われている」




というのは弊誌主幹の口癖ですが、まさにそのとおりの状況なのです。




食品スーパー各社もさまざまな特徴があります。




ドラッグストアも当然、こういった競合環境のなかで「わが社の顧客」をつくっていくことが大切です。




ちなみにヤオコーさん、




食品スーパーの現在の主力と言われている600坪型から450坪、そして300坪へとダウンサイジングの実験を進めています。




これは来たるべき小商圏時代への新たなフォーマットづくりを開始していると考えられます。




また土地の少ない都市部への出店を想定したものなのでしょう。




上記3つの食品スーパー企業とドラッグストア企業の「日配、加工食品」だけを比べれば、




スペース比率はさほど変わりません。




現在変わるのは「客数」「客単価」だけです。




ここを高めていくための策(「定番」づくり)がドラッグストアに求められています。




そのためには、まず支持されている食品スーパーの戦略を知ることも大切だと考えます。






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