先日、オープンした上海の櫻工房2号店です。
「櫻工房」はウエルシアHDさんが出資した合弁企業が展開するドラッグストアです。
市内の交通の要衝でもある中山公園の地下鉄口側にあります。
この時期なので、オープンは粛々とおこなわれたようです。
オープンにはつきもののお花も賑々しく飾られることはありませんでしたが、
唯一、写真中央にある紫の胡蝶蘭が店舗中央にひっそりと飾られました。
この胡蝶蘭は上海在住の3代にわたる上海人である弊誌の特約記者が贈ったもの。
贈答は形式美ではありますが、
そこには見えない心のつながりがあると思います。
私はこの写真をみて大変感銘を受けました。
上海の事情をさぐれば、
この間、ウォルマート、カルフール、大潤發(台湾系ハイパーマート)などではヘルス&ビューティに限らず日本製品が一時的に棚落ちしました。
また日本製品が主力でもあるワトソンも売上げは2割減との情報がはいっています。
一時的現象との見方が有力ですが、
長期化するという見方もあります。
日本製品が撤退すれば、当然国内ブランド、日本以外ブランドのシェアが高まるわけであって、
日本ブランド以外は「プラス」になるわけです。
つまり日本企業だけが市場で負け越すという見方もできます。
そう考えると、今回の問題は単に表面的な政治問題にとどまらず、
日本産業そのものが世界戦略の中でどう戦うのかという問題も含まれているように思います。
政治と経済は一体です。
政治の表面的な動きのみに目を奪われてはなりませんね。
中国の思想家荘子に「胡蝶の夢」という故事があります。
かなり大雑把な解釈ですが、
「有為と無為」「個と集団」などこの世で相対化されるものは、
すべて人間の知が生み出した概念であって、知の制約に縛られない自然の状態であることを
「胡蝶の夢」というそうです。
この胡蝶蘭にそんな意味を見出すこともあながち無駄ではないのかなと思います。