よく知られたビジネスエピソードですが、

日本の厨房の料理人は、

「技は盗むもの」であり、先輩がとった出汁の残りをそっと舐めて、徹底的に近づける努力をする。しかもどちらかといえばその努力をオープンにしないのが美学になっています。

つまり、先輩はいちいち教えてくれない、勝手に学べということですね。

一方、フランスの厨房では、

先輩は持てる知識技術を惜しみなくオープンにするそうです。フォンドボーも秘匿しない。

ただし評価は、それら先輩とは異なる価値(味)を開発できたかどうか。

なるほど、どちらも一理ありますね。

先日の「おもてなし経営推進フォーラム」でのネッツトヨタ南国の横田社長の話では、

同社では「教えない」のが原則だそうです。

その根底には、勉強もしないで質問してくるような奴は伸びない。勉強したなと思う質問がでてくるようになってはじめて教えるそうです。

横田社長曰く、

「時間がかかるし、我慢しなければならない。でも人を育てるとはこういうこと」。

フランス流のすべてを教えたうえで、オリジナルを問うというのも、

根底を見れば、

「自分の頭で考える」ということは共通です。

ただしプロセスは違います。どちらが合理的か効率的かという次元でもないような気がします。

私はどちらかと言えば、日本的というか、目標となる人を定め、スタイルの真似からはいったような気がします。

「守破離」の世界ですね。

ただし、後輩ができると全部教えたがるフランスタイプ(笑)。まあ盗まれるようなレベルではないのでオープンです。人脈もすべてオープン。

人脈は流派が異なっても、深さがおなじだと思いがけない反応が生まれるものです。

まあ、私はよいところはどんどん勝手に盗み、伝えるのはオープンを原則にしてます。

真似されて、困るのは、まだそのレベルに過ぎないと思います。

どちらであれ、お互いの技術や意識が高まるのであれば、それは業界の発展にとって素晴らしいことのように思うのですが…。







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