「眼高手低」という言葉があります。
端的に言えば、
「批評はいっぱしだが、いざ自分でやらせてみるとてんでダメ」
という意味です。
これは専門誌の編集者にとっては、肝に銘じなければならない言葉だと思います。
ともすれば、
「売場」の批評に陥っていないか・・。
私は、編集者であって、売場づくりの実践者ではありません。
いざ、私が売場をつくるとすれば、
現場の皆様方に、大笑いされるでしょう。
だから、常に謙虚であらねばと思います。
売場は批評するのではなく、
現場の知恵を結集した売場そのものの持つ「魅力」あるいは「情報」を最大限引き出す・・
私にいくばくかの使命があるとするなら、課せられた役割はここにあると思います。
翻って、日常の仕事にも同じようなことが言えるような気がします。
自分を棚に上げて、仲間の不備、不慮を追及していないか。
自分は安全な場所からモノを言っていないか。
ビジネスは緊張感を持たねばなりませんが、
仲間のモチベーションを下げてしまうような、「眼高手低」はかたく戒めねばなりません。
私の友人は、あるベンチャー企業のトップですが、
大きく組織が飛躍しようとする時期に、
創業メンバーが「官僚化」するのを目の当たりにし、
自分より目上の創業メンバーを切らざるを得なくなりました。
組織が大きくなろうとする時期、分業の名の元に、人を増やし、自分のルーチンワークを人にはりつけようと
したそうです。
つまり業務のための業務をどんどん作り出してしまったのです。
結果、ルーチンワークは非常に改善されましたが、コストは売上と反比例にアップし、
ベンチャーの持つ、大胆さ、スピードといったものが殺され、その企業の勢いはしぼみました。
この弊害にいち早く気づいたトップは、慌てて修正したそうです。
本日インタビューしたあるドラッグストアチェーン大手のトップから、
創業期まもなくのお話をうかがいました。
じつはまったく同じ話がでてきたのです。
「商売はたたかい。めまぐるしくかわる状況に反応できる人間がいなければ、それは組織の死を意味する」。
こんな趣旨の言葉を聞き、
だから経営者は、
ときに皆が笑うような、びっくりするような目標を掲げなければならないとも。
本日は実に深いインタビューとも相まって、いろいろ考えさせられることの多かった1日になりました。