ドラッグストアはいわゆる「物販」ではなく、「サービス」をどう店頭で展開するか、頭を悩ませています。
宅配サービスなどは、「物販」と連動しているので、お客に認知させやすく、また実際の利用率も高くなりますが、
そのほかの物販につながりにくい「サービス」分野は、なかなか認知が広がらず、実際の利用、購入率も低くなってしまっているのが実情です。
本日、取材にうかがった「カジタク」さん。
家事代行サービスなど「家ナカ」と「宅配」分野のサービスベンダー企業ですが、
ここでソリューションのひとつを発見しました。
これは「カジタク」さんが展開している「家事玄人(カジクラウド)」というシリーズ。*玄人とクラウドをかけてます。ってわかりますよね。(笑)でもすごいコンセプトです。
エアコン、キッチン、バスといったポイント別のハウスクリーニングから、
「保管付衣類クリーニングパック」「ふわふわ布団丸洗いパック」といった心憎いパッケージが揃っています。
「保管付衣類クリーニングパック」なんて、
宅配クリーニング(防虫防カビ加工)プラス9か月の保管付で、服6点は6300円です。
これは税込、宅配料込。
保管付で1着当たり1050円です。
スーツは上下で1点でカウントするので、かなりリーズナブルです。
保管付ですので、収納スペースもつくることができます。
狭い家に住む、私などにとってはとても有難いです。*夏物しまうスペースがないです・・。
価格もさることながら、このシリーズの画期的な点は、
店頭でサービスがカタチになって手に取れるというところ。
このパッケージの箱には、このサービスを受けるためのチケットと取説キットがはいっています。
「サービスなんて、メニュー表で十分」と考えている場合が多いのですが、
この店頭で、「サービス」が手に取ってみることができる、というのが大事なんですね。
お客様にとってももちろんですが、店頭のスタッフも「物」があると売りやすいのです。
これは盲点でしたね。
素晴らしい着眼点です。
このシリーズの実現には全国で200をこえる地域ベンダーさんと提携しています。
イケアさんがシステムキッチンの工事を安くするために、地域の多能工務店をネットワークしましたが、
それを彷彿とさせます。
さらにパッケージ化すると、実はこういうサービスに必ず出てくる「見積もり」という作業がなくなります。
これが同社が、価格を抑えて高品質なサービスを提供できているひとつの要素でもあります。
ちなみにこのシリーズ、1年程度の実績で2000店舗で導入、これまで4万5000個が販売されているそうです。
ギフト需要も3割程度あり、とくに高齢の親世代に贈ると喜ばれるそうです。
クロスMD実績も進んでいて、
ビックカメラさんでは、家電売場でのクロス提案が行われています。
たとえばエアコンやキッチン小型家電売場で同時購入を進めています。
これからの時代、販売後の「メンテサービス」はとても重要な戦略になっています。
また、地域ドミナントを築く上で、「サービス」を武器にしたい企業であれば、
「メンテサービス」は大切な施策になるでしょう。
本日、取材にうかがったカジタクのCOO兼CFO楠見さん。
このほかにも今後の同社の展開について聞いてまいりました。
とくに今後「家ナカビジネス」を確立するうえでの「人材教育」に関する社団法人設立はとてもユニークな試みです。
詳細は、月刊MD3月号にて。
楽しみにしていてください。