ランドセル戦争が終盤になりました。


大体8月ぐらいからテレビCMが流れ出して、11月前半の私立小学校の受験が終わるころまでがランドセル販売時期です。


ことしはCM戦争が話題になりましたね。


イト―ヨ―カ堂さんはいまやむかうところ敵なしの芦田愛菜ちゃん、対するイオンさんは、尾木ママ(笑)。


価格は若干、イト―ヨ―カ堂さんのほうが高めですが、


ランドセルはお祝いもので、祖父母からのプレゼントのパターンも多く、価格設定はあまり問題ありません。


店舗展開を見ていますと、


イオンさんはトップバリュという同社のプライベートブランド(PB)の中でランドセルをずっと育ててきたものですから、気合がはいっています。


ランドセルは受注生産が基本ですから、原材料から工場まで長期間大量におさえておく必要があります。

ですからかつては、夏に予約、冬に受け渡しという販売方法が主流でした。よって10月や11月の注文というのはあり得なかったわけです。


ですが、イオンさんに代表されるように、チェーンストアはその工程の短縮に努め、遅くの発注でも可能になりました。ですが、その分、受発注においては需要予測などの仕組みができているかどうかが重要になってきます。


イオンさんのカラーバリエーション(24色)は多いので、染色原料のおさえも大変です。


しかも、パーツの組み合わせのカスタマイズや「マイカラ―ランドセル」という自分で自由に複数の色の組み合わせるスタイルまであります。*わたしの愛車スマートみたいな色の組み合わせができます。これも面白いですね。


これらの在庫を、パーツ段階で抱えるのか、製品段階で抱えるかで、最終の商品利益率は変わってきます。


よって、負担もリスクもあります。ですがこれらの原価をコントロールし利益を最適化できるのは、やはり自社で仕様書を発注するPB(プライベートブランド)しかありません。


さて、自社PBでバリエーションを増やすイオンさんに対して、


イト―ヨ―カ堂さんは「天使のはね」で有名なセイバンさんと組んで、ストアブランドを展開しています。


ストアブランドは「グッドフィット」といいますが、こちらも3つのラインを打ち出し、最高21色まであります。また、イオンさんとおなじで複数カラ―で縁取りができるスタイルもあります。*こちらは固定のようです。


NBメーカーと組んだストアブランド開発は、自社で原材料からパーツ、製品を抱える負担、リスクは少なくなりますが、その分コストアップになります。


このあたりの、自社で仕様書発注まで行うプライベートブランド(PB)で勝負するイオンさん、NBメーカーとのタイアップであるストアブランド(SB)に力を注ぐイトーヨーカ堂さんの戦略比較はやはりいろいろ勉強になりますね。


テレビCMはほぼ終わっていますが、店頭は11月の最終商戦まで継続します。11月は駆け込みも多い季節です。


いまや無敵の芦田愛菜ちゃんと教育界のちょっとかわったカリスマ(笑)尾木ママさんの効果はいかに?


まあ、広告業界の人たちは、どちらに軍配があがるかということに関心があるようですが、


月刊MDとしては、11月の最後までどのように売場が縮小されつつも維持継続できているか。


やはり最後は「売場」の差であることを強調しておきます。