村上龍さんの本の一節にあった言葉を書き留めたものです。




「他人のアドバイスに依存する者は、路頭に迷うかもしれない」




これはとても重要な示唆を含んでいます。




なにをすれば儲かるのか?




就職先はどこがいいのか?




転職はしたほうがいいのか?




家は買った方がいいのか?




保険はなにがいいのか?




人に相談すること自体は悪いとは思いません。




その道のプロもたくさんいます。




でも最後は自分が自分の責任をもって選択しなければならない。




下品な表現で恐縮ですが、




「てめえのケツを拭けないやつ」はこの時代、厳しいかもしれません。




わたしが小売業という産業が素晴らしいと思うのは、




自分の責任と才覚で、顧客に喜びを与え、「利益」を生み出すことができる。




「利益」は顧客につぎの喜びを与えるための原資(商品、人)です。




だからは「利益」が商人にとって重要であり、正当な報酬であると説いたのは、江戸時代の心学創始者石田梅岩です。




景気の良しあしに関係なく、そこに顧客の生活がある限り、あらん限りの力を発揮する。




これが本物の商人です。




ですから、「景気が悪い」「政治の景気対策がなっていない」・・




こうぼやいて他者の思惑で左右されるような商売しかしていない商人は、冒頭の村上龍さんの言葉ではありませんが、




「路頭に迷う」でしょう。




もちろん復興利権ともいうべきの消費税アップなどは小売業を直撃するでしょう。




個人消費は縮小していく可能性は大です。




でもその中で、顧客の生活を豊かにする提案をおこなうのが、小売業です。




自らの高コスト体質にまったくメスをいれず、民間に政府借金を押し付ける現状の政府部門の無策と惨状は目を覆わんばかりです。




高コスト体質(利権温存)を維持しつつ、「復興利権」の名の元、広く浅く負担を求めるのがいまの財務官僚の基本思考です。




考えれば考えるほど、この国の人材不足を嘆きたいですが、




「商人」はやはりこの事実に負けず、自分の商売をやっていかねばならないと思います。




「商人」は次世代のリーダーをつくるのも役割です。




高杉晋作をはじめ、維新の志士たちを援けた白石正一郎がいまの時代には必要だなあと痛感しています。