現在では、クリエイトエスディーさんやスギ薬局さんなども訪問医療、在宅看護などで薬剤師もチーム医療メンバーに入れてもらい、薬剤師が医師や看護師にとって役に立っているかということを実証実験しています。




こういう素晴らしい事例はどんどん出てきてほしいですね。




さて、昭和大学で、薬剤師を含めたチーム医療を育成し、「医療の質」を向上させてきた中島先生は、



現場で培ってきた「チーム医療の5原則」をまとめてくれています。




これが実にシンプル。




でも深いんです。




1)仲がいいこと




2)お互いが指摘する勇気を持つこと




3)知識で人を傷つけないこと




4)自分の範囲を限定せずに、隙間を埋めていくこと




5)あなたと組むことで、「1+1」が2ではなく、3、4にもなるということをお互い伝え合うこと




1)仲がいいというのは一見、気が抜けてしまうような項目かもしれませんが、昭和大学がなぜ1年次に全寮制を敷いて、医学生も薬学生も看護学生も同じ釜の飯を食わせるのか?




それは、やはり将来チームを組むときに、お互いをよく知っているということはやはりプラスになるからです。ただしなあなあの関係ではだめです。




そこで、2)。ある3人の医師がひとりの患者の治療方針をめぐって、1対2になりました。結果1のほうを採用し、残念ながら亡くなってしまいました。そのときの2のふたりは、1の人になぜそう思うのかを伝えなかったそうです。理由は、「先輩だったから」。これ盲点です。一見、ばかみたいな話が実は重大な過失につながるということを示しています。




システム不良も、結局は、プログラムではなく、電源の接触が悪かった・・みたいな話です。




3)はお互いが専門家を自認しているなかで、つい使ってしまうのが、「お前は何年やっているのか?こんなことも知らないのか?」という言葉だそうです。これが専門家を一番傷つけてしまいます。チーム医療では、自身の不勉強は自身で悟るのが原則。他人が不勉強だと感じたら、それとなく促す、これもコミュニケーションのチカラです。




4)も重要ですね。「私の仕事はここまで」と勝手に線を引く人っていますよね。しかも責任をとらない。そういう人にかぎって、他人の仕事の領域も決めたがります。だからお互いフォローのしようがありません。医療の事故は、その領域の隙間で起こるそうです。




これってビジネスでもまったく一緒ですね。




お互いの領域を決めない。お互いが隙間を埋める意識をもつ。




「報告・連絡・相談=ほうれんそう」が大事といいますが、これをやっているから大丈夫というわけではありません。




そもそも「ほうれんそう」こそ必ず隙間が生じます。




「ほうれんそう」はもちろん基本ですが、「ほうれんそう」には隙間があるということの意識のほうが数倍大切です。


5)もビジネスの現場でよく起こりがちです。




彼は半人前だから、2人で1.5人前だな・・という上司ってときどきいますよね。




信頼関係で結ばれたチームは、たとえ技能や経験が劣っても、2人組めば、3にも4にもなるということをお互いが思い込むことが重要だそうです。




これも意外とできていない。




わたしも「君がいてくれて助かるよー」と言ってしまいがちです。




ある意味、上から目線です。




「あなたと組めば3にも4にもなる」・・こういう言い方って大切だなあとわたしも思いました。




チーム医療の5原則いかがでしたか?




あらゆるシーンに通用する普遍的な原則ですよね。