店舗取材に引き続き、久しぶりにゲンキーの藤永社長にお会いしました。
ドラッグストアの社内教育といえば、新入社員研修、店長研修、スーパーバイザー研修など、基本オペレーション研修と、薬剤師、美容カウンセラーなど専門研修が組み合わさっているのが普通ですが、
ゲンキーさんは、「ゲンキー大学」と銘打って一般社員、幹部研修、店長、バイヤーの区別なく、共通の一般教養として、ランチェスター戦略を根幹に据えています。
企業内大学といえば、古くはイオンさん、現在ならユニクロさんが有名ですね。体系的な座学を自前で持つ小売業は極めて稀です。しかしだからこそそこに、並々ならぬ意志を感じます。
日本の小売業の中でもっとも長い企業内大学の歴史を持つイオンさんは、まだ小売業に大卒新卒が進みたいと思わない時代に当代一流の商業戦略家を集めて、立ち上げました。そこにはやはり強烈な志と意志を感じます。
これは、ゲンキーさんの社員手帳で、半年以内に、職位に応じて7ー8科目の所定講座を受けて合格せねばなりません。
小売業の現場教育は、OJT中心ですが、座学も実は大切です。現場主義と称して座学を軽視する経営者も時折見かけますが、優秀な経営者ほど、座学と現場のバランスを大事にしています。
座学によって自分たちの日々の仕事は、なんのために行なうのか、あるいはつながっているのかを自覚することができます。また部分最適を全体で考える力が生まれます。これを自覚するか否かで、現場教育の精度も異なります。そして座学は、体系的学習が不可欠です。
ランチェスターを基軸にするドラッグストアは、ゲンキーさんのほかはコスモスさんが有名ですね。ともにわが道を行く企業です。
わが道を行く企業は、一貫性があります。ぶれない企業は、強い。
教育もまた然り。座学も現場もどちらに偏ることなく、力を入れています。
厳しい時代だからこそ、教育に投資する。次の人財をつくる…そう考える企業とそうではない企業とでは、この1ー2年で、相当な差が生まれてくるように思います。
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