まもなく発売の月刊MD8月号では、先般の米国視察セミナーレポートを掲載しています。


今回は、米国西海岸の人気スーパーマーケット「トレーダージョーズ」にフォーカスしています。


同店は、このブログでも何度か登場させましたが、


このところ取り上げている「無印」の思想、「ムダをそぎ落とすほどに豊かになる」の典型例とも言えるでしょう。



月刊MD編集長(2代目)のブログ


実にシンプルですよね。壁面には海と島の絵が書いてあるだけです。什器もそっけない(ウッドとスチールの2種類があって商品特性別に分けていると以前紹介しました)。


でもこれは、「アーティスト」と呼ばれる専門職の人が描いているものなんです。


そもそも「トレーダージョーズ」という名前は、「世界を股にかける貿易商人ジョーの店」という意味。

店長は、「キャプテン(船長)」副店長は「ファーストメイト(一等航海士)」と呼ばれています。


POPも実に抑制されています。商品が主役として引き立っていますね。



月刊MD編集長(2代目)のブログ

これは有名な99セントワイン「チャ―ルスショ―」。ワイン樽と一体型の素敵な什器ですね。


日本の売場のPOPの多さは、品目数に比例します。POPは商品の内容、魅力を伝えるとても大事な役割を持っていますが、情報は多すぎるとどんなに素晴らしいメッセ―ジを伝えても、埋没してしまう可能性が高い。


トレーダージョーズの平均売場面積は260坪です。アイテム数は最大4000アイテム。*ドラッグストアは大体1万5000-2万です(200坪平均で)。


実に品目が絞り込まれています。でも「スカスカ」はまったくありません。


まさしく「ムダをそぎ落とすほどに豊かさ」を出しているのです。


ちなみに同店の平均店舗年商は、約20億。坪効率は約770万円。日本のトップクラスのスーパーマーケットと同じです。*日本のドラッグストアは、200万前後になっています。



月刊MD編集長(2代目)のブログ

これ、トイレットロールです。おしゃれなパッケージですね!「デザイン性に優れて価格も安い」。POPがなくても商品自体が情報そのものになっている典型例です。


トレーダージョーズのターゲットは「こだわりはあるが予算がない」人たち。


まさに「無印良品」がつかんだ層とまったくおんなじなんですね。