月刊MD編集長(2代目)のブログ



おかげさまで「これドラ」好調に売れています。




昨日、増刷しました。




一部書店を除くダイレクト販売(弊社HP、富士山マガジン)ですが、1か月で増刷はありがたいことです。




あっ、ちなみに、著者の平野社長は、「これドラ」がドラマ化されたら、主人公の薬剤師の女の子はAKBの板野友美さんに決めているそうです(笑)。




「これドラ」は、ある地方都市の小さな薬局に勤務する薬剤師の女の子が、大手のドラッグストアがどんどん進出して来る中で、ドラッカーを読んで、薬局を立てなおし、全国制覇を目指す・・というお話じゃないですからね(笑)!


*これわたしの、この本の紹介トークの枕です・・。




脱線失礼・・。




なぜ売れているのか?




もちろん、平野社長のご人脈、お顔の広さも要素として大きいのですが、




ずばり、




「少子高齢化が進む地方都市において商売を続けていくビジョンと基本ノウハウ」




が、書かれているからです。




世帯所得平均が下がり続け、少子高齢化が進む地方都市で、持続的な経営ができるかどうかは、ドラッグストア、薬局に限らず、重要なテーマです。




マスプロダクションの典型である、製薬、化粧品、日用品メーカー各社もこぞってご購入いただいています。




それは、




「縮小していく国内市場においてもマスであることを生かし、個別ブランドの価値と利益を上げる方法論」




が提案されているからです。




この2つは一見相反するように見えるのですが、両立していく方法があるのです。




それは、ぜひご一読ください(笑)




トップメーカーさんは、日本の60年代からー90年代に通用した「セルイン」(商品押し込みによる棚どり)経営が、限界に達していることに気づいています。




2000年代前半は、その尾っぽ(成功体験)が残り、社内外の戦いに時間が費やされてきました。メーカー営業マンの成績は、棚入時点での売上金額の多寡が評価されたのです。*返品は評価対象に、なりませんでした。だから棚どり合戦と販促協力金獲得合戦が、メーカー、リテールの戦略の軸になったのです。


ですが、2010年代は、その尾っぽと決別した企業が、新しい体制を整え、新しいビジネスモデル構築に取り組んでいます。




その基本戦略は2つ。




1)海外市場




2)国内の一部小売プレーヤーとの情報統合による協働ビジネスモデルの構築




です。




「これドラ」は、2)について、2つの有力な方法論のうちのひとつを掘り下げています。




2つの有力な方法論のもうひとつは、「ディスカウント」です。




バッタ屋的ビジネスの「安売り」ではなく、生産者、小売、顧客「三方よし」の「ディスカウント」の確立。バッタ屋(たとえば倒産企業の横流し商品をネットで売るなど)は、悪い意味で、消費の秩序を破壊します。




「これドラ」の提言する方法論は、




「価格やスペースに左右されにくい、繰り返し買ってもらえる商品、サービス、顧客の発見」です。




これは、先日のブログでも書きました。




http://ameblo.jp/md-editor-in-chief/entry-10943323580.html


(小商圏の時代 パート2)




価格、スペースという要素はディスカウントの最大武器です。




なので、小さなお店は、そうではない商品、サービスを開発していかねばなりません。そしてそれらを好んで繰り返し買ってくださるお客様を発見することです。




そして、個々の企業、個々の店舗の販売数量は小さいのですが、地域シェアの高い企業、サンキューさんのような企業がエリア単位で10社集まれば、店舗数は600店舗。600店舗で値崩れしない価値ある商品をしっかり売ることができれば、どうでしょう?




ある商品ブランドを1000店舗で売って価格競争に巻き込まれるのと、600店舗で価格競争に巻き込まれない方法、メーカーさんはどっちを選びますかね?メーカーさんはロットが揃えばやります。そのかわりリテール(小売)のほうは「買い取る」「売り切る」を武器にせねばなりません。




いまは両方あっていいのです。1000店舗は1000店舗の販売数量があるのですから。これはこれでいい。中間流通の無駄を排除し1)の正統派ディスカウントの方法論を構築できれば、製販双方に利益をもたらします。ただしこの場合も小売は「買い取り」が基本原則です。あるいは返品に関する取り決め事項を双方が納得する形で詰めておくことです。




これは、これで進めていくことも必要です。




ですが、小さくとも「マス」を生かす方法があることに気づいた小売企業は、ほかの企業がつかんでいないわが店のお客様に、価値ある商品を繰り返し買ってもらっているのです。それをメーカーさんと情報共有して、協働プロモーションをかけることができれば、経年の検証データをもとに、「水平展開」ができるのです。




というわけで、ぜひ、「これドラ」お手に取ってみてくださいね。皆さんと一緒にふたつの方法論の論議を深めていきたいなと思います。




でも、薬剤師の女の子が活躍する「これドラ」も作ってみたいなあ(笑)。


AKBなら個人的には、高橋みなみさんかな。むかしから少年のような女の子が好きなんですよね。


平野社長と真逆の好みでよかったあ(笑)。