きのう、ちょうど打ち合わせが入ってしまっており、行けなかったのですが、
アークスのコーポレート担当執行役員の方から、直接ご連絡いただき、
食品スーパーマーケット企業のアークスとユニバースの経営統合発表記者会見に月刊MDも参加させていただきました。
アークスの横山社長(左)にはむかしから大変勉強をさせていただいており、月刊MDでも昨年インタビューをお願いしました。ユニバースの三浦社長(右)も以前、セミナーにて大変お世話になりました。とくにIT活用ではスーパーマーケット経営者の中ではもっとも進んだ知見と実績を持っていらっしゃいます。
アークスは、北海道を地盤とし、直近決算では、3036億円の売上規模を持つ企業。ユニバースは、青森を地盤とし、直近決算では1010億円の規模を持っています。
両企業を合わせると、4046億円の売上規模となり、スーパーマーケット業界でライフコーポレーションに次ぐ第二位の規模になります。
アークスは、ラルズ(札幌)、ふじ(旭川)、福原(帯広)といった北海道の各都市にドミナントを築いていたローカルスーパーが集まってできたホールディングカンパニーです。
この共同持ち株会社による事業統合は流通業界では先駆けで、統合による規模化のメリットを享受しつつ、ローカルの事業会社の自主性を尊重し、ゆるやかに成長していくことを志向したもの。
数少ない成功事例として知られ、「八ヶ岳連峰経営」と呼ばれています。(北海道なんですけどね・・)
この連峰経営に、ついに北海道外企業が加わりました。
先の大震災では、アークスを中心としたボランタリーチェーンCGCグループが、北海道から生鮮流通を確保し、被災地へ供給し続けました。
なぜか一般報道では、生協さんやコンビニさんしか取り上げませんが、CGCをはじめ、全国のスーパーマーケット業界の持つネットワークは素晴らしいものがありました。もてるネットワークの力をフルに活用して被災地店舗の支援を行ったのです。ですから、被災地店舗には常に生鮮品があふれていました。しかも安く。
店が開いている限り、商品を供給し続けるバックシステムがあるからこそ、被災地店舗の皆さんは店舗を開け続けたのです。それこそが小売の使命であると自覚して。
記者会見では、北海道、青森を起点に、東北地方の食の下支えを行って復興に寄与していきたいとありました。
東北の農業、水産業、畜産業を生かすためには流通のチカラが必要です。
インターネット販売による一次産業支援の動きも活発で素晴らしいとは思いますが、
リアルなスーパーマーケットが動くということは、店舗だけてではなく、水産加工場、物流センターなどさまざまな一次産業の周辺産業、インフラをいかすということです。これは地域に雇用を生みます。
横山社長は、北大の水産学部ご出身。とくに水産業の過酷な現実に心を痛めていらっしゃるのでしょう。
復興には、「規模化」「ピンポイント」「スピード」が最重要です。
政治の停滞で、遅々として進まない復興支援・・。とくに地域産業の再起動についてはさまざまな思惑がいり乱れて、地元企業にとっては厳しい現実となっているといいます。
流通の持つチカラを信じてついに道外へ「山が動いた」のではないかと思います。