名古屋に出かけています。出張は移動距離が長くても、短くても、つい本を購入してしまうのが習性です。


とくにターミナル駅や空港は、ベストセラーを中心に品揃えしているので、いま一番なにが話題か、一覧できるところがいいですね。




きょうは、思わず東京駅で3冊購入。




『憂鬱でなければ仕事じゃない』




これは幻冬舎の見城社長とサイバーエージェントの藤田社長のコラボで実現したビジネス書。




わたしも編集者のはしくれですから、見城さんは斯界の大スター。雑誌のインタビューとか著作のコピーを持ち歩いています。




ちなみにわたしの手帳に張り付けている見城さんの「売れるコンテンツの4条件」、




1) オリジナリティ


2) 明解


3) 極端


4) 癒着




これは専門誌でも鉄則です。




さて、この本のタイトルが素晴らしい。




これはうちの主幹もよく言うセリフですが、経営者は、ネクラぐらいがちょうどいい。小さなことにくよくよできるやつじゃないと経営はできない・・。




見城さんとまったくおんなじセリフです。




うちの主幹もたとえば、飲み会の席や視察セミナーで見せる気遣いは実に細か、かつ的確。しかもいつも憂鬱そうです(笑)。これは私に欠けている部分。だから惹かれるところがあるんでしょうね。たぶん見城さんに憧れるのもそういう部分ではないかと思います。




藤田さんは、このアメブロで大変お世話になっていますね(笑)。




2歳わたしのほうが上ですが、失礼ながらいままでは女優さんの元旦那さんというぐらいの知識しかありませんでした。ときどき、ビジネス系の雑誌でインタビューなどを見ましたが、あまり印象に残らなかった。


*けっこうその女優さんが好きだったので、あえて避けたのかも(笑)。




ですが、この本を読んで、遅ればせながらこの人すごいと思いました。




三国志の登場人物で、蜀の名将関羽を破った呉の呂蒙は、三国志では嫌われキャラですが、わたしは結構好きで、それは、こんな格言を残しているからです。




「男子たるもの三日経てば刮目せよ」




これは呉の大参謀魯粛がかつて無学で粗暴だったころの呂蒙を知っているので、侮ったような口をきいたところ、呂蒙がびっくりするような戦略と知見を提示したために、魯粛が詫びたというエピソードから出た言葉。




つまり、「むかしはちゃらちゃらしていたかもしれないが、そのときの印象だけで人を見ては判断が狂う。士たるもの、3日もあれば、心をいれかえ精進することもできる。いつまでも小僧と思うなよ」という意味でしょうか。




あっ、これは藤田さんがむかしちゃらちゃらしていたという意味ではありませんよ。念のため・・。たぶんかれは昔からすごい人だったわけで、それを鍛錬されてきた方だったのでしょう。




「三日たてば・・」というのは自分自身への戒めです。常に変わらねばならないと。




2000年、インターネットバブルが弾けて、会社の買収危機、株価の下落を経験したとき、かれは社員に無償で自分の株を配ったそうです。それで彼はゼロからもう一度社員の士気を高めようとしました。




当然やめていく社員は続出、やめた人間からも株をくれるならくれというメール。彼は失意のどん底だったといいます。




この話をきいたとき、忠臣蔵の大石内蔵助を想起しました。




お家断絶が決まった時、藩に残っていたお金を藩札(藩債)六分払いで領民にあつくキャッシュバックをし、残った金を家中に分配しました。 それでどうなったのかと言えば、当然お金をもらったらさっさとやめる藩士が続出しました。




これは有名なエピソードですが、そこで命を投げ出す覚悟のある人間をふるいにかけたのです。




将棋の羽生善治さんが好きという共通点もみつけて、勝手に親近感を持っちゃいました(笑)。すみません。




この本、久しぶりの骨太ビジネス論で元気でました。




えっと、あとは、 ユニクロ柳井さんの『希望を持とう』と、


森本美行さんの『本田にパスの36%を集中せよ』。




前者は、元ユニクロの人が書いたユニクロのチーム論の本のとなりにあったのですが、やはり本家のストレートな話のほうが圧倒的に面白いですからね。




柳井さんは宇部つながりということもあるのですが、やはり好きですね。




よく、ユニクロ型経営を、「海外の安い人件費をつかってつくった安い商品でデフレを引っ張り、国内の繊維産業と雇用を衰退させた。もっと国内産業を育成して国産商品を買って国内工場をつかって雇用を生め」という人がいるのですが、




こういう人は、少なくとも柳井さんより、国家に税金を払っていないし、ユニクロより雇用を生んでいない。




おっと、つい熱くなりました(笑)。




後者は、タイトルはいまいちなのですが、内容をぱらぱら見ていたら、面白そう。


スポーツデータという分野のKPIをわかりやすくまとめてあるようです。これはわたし、大好きな分野。




週末、じっくり読んでみます。