店舗の業績は、チェーン店でも個店でも、企業によって店長権限は異なりますが、店長の力量に左右されることは間違いありません。
チェーンの場合は、企業から「人、商品、お金」を預かって、企業の描くビジョンと行動指針に基づいて運用し、成果を出すことが問われます。
中国でもそれは変わりません。
以前のブログでも書きましたが、対前年比売上は150%。
平和堂さんの中でも屈指の、熱い漢(おとこ)として知られています。
改装のプランニングは店長が発します。
細かなテナント仕切りをなくし、有力店舗の大箱(スーパーストア化)が誘致できるようにしました。
周辺SCもどんどん大箱化が進んでいるので、先手を打っています。
スタッフルームには、中国人スタッフの顔写真入りポスターを掲げて、
チーム力を高めています。
前回はロケットだったので、今回はUFOだそう(笑)。
前列右から二番目が近藤店長。一番左は寿谷総経理!
北京と成都に進出しているイトーヨーカ堂の中国総代表の塙昭彦さんの著書(『人生、すべて当たりくじ!』)に中国進出の苦闘が描かれていますが、
異国にあって、同じ労苦を共にした仲間の結束は石よりかたい。
この塙さんの本は、小売関係のトップが書いたものの中では、屈指の内容を持つものです。
わたしも大いに勉強になりました。
イトーヨーカ堂の中国事業をゼロからつくった人ですから、ほんとうにすごい。
2万5000人の部下を持つ立場から、ただ一人中国行きの辞令をもらい、社内で中国事業人員の募集をかけたとき、こんな条件を出したそうです。
1)利口なやつはいらない。頭はいいが、行動が伴わないやつは不要
2)バカもいらない。バカはどこまでいってもバカ。足手まといはいらない
3)私が求めているのは、「大ばか者」。愚直でひたむきに、バカのひとつ覚えみたいに精一杯努力する人間
結果、社内から、57人の大ばか者のエントリーがあったそうです。
そこから、第一次先遣隊9名を選出し、計10名がゼロからの事業に挑みます。
これはライバルと言われた、鈴木敏文さんの米国セブンイレブン視察のエピソードに隠れてあまり知られていませんが、セブン&アイグループのスピリットを象徴するもうひとつの素晴らしいエピソードだと思います。
さて、厳しいと言われる近藤店長ですが、「結果を出すことで、この人のいうことは正しいのだな」とスタッフに思われて、はじめて人が動くといいます。
10出す指示のうち、理解してくれるのは1あるかないか。そういう中で店舗をまとめるのです。
異文化の中で、生活習慣の違いと相まって、コミュニケーションをとることは非常に難しい。
でもこのお2人の笑顔を見ると、信頼関係が築かれていることを実感します。
日ごろ、コミュニケーションに悩んでおられる日本の店長さんに、ぜひ近藤店長の苦闘と活躍をお伝えしたいと思います。
月刊MD8月号を楽しみにしていてください!