店舗のコミュニケーションポイント(CP)シリーズです。
海外事例で、主として「体験、実感」を伝えるためのCPの組み合わせです。
これは、アジア最大のドラッグストアワトソンの「男性化粧品」売場。
「DVD」「カラーコントロール」「特注什器」という3つの「CP」を組み合わせています。
日本ですと、ゴンドラエンドのトップ、定番棚の真ん中あたりで、DVDやビデオを繰り返し流している形が多いですね。
男性化粧品は目的買いが多いので、日本では、入口付近化、レジ回りにレイアウトすることがセオリーなのですが、このような「カラー」と「特注什器」を組み合わせれば、店舗の真ん中でも十分視認性が高くなります。
ここで、新商品のプロモーションVを流しています。
カラーコントロールによる売場での視認性の向上と「CI」(コーポレートアイデンティティ)づくりにおいてすぐれているのが、米国第2位のディスカウントストア(DS)企業のターゲット。
ターゲットはもともとデイトンハドソンという百貨店が展開したDSですが、
同じDSのウォルマートと一線を画すのは、
そのデザイン性の高さ。
とくにアパレル、住関連商品においては、世界的なデザイナーとコラボレーションして商品作りを行います。
しかも価格はウォルマートに近い。
レッドアイと呼ばれるシンボルマーク(赤い二重丸)は「ファサード」などの店舗内ファーマシー外観というCPにも使われます。
ちなみにターゲットはNYコレクションのスポンサーでもあり、この赤い二重丸は「テレビ」や「雑誌」などのマス広告というCPにも大々的に使われます。有名人の広告塔も多い。
よくゴシップ誌でも「注目のハリウッド若手セレブが仲よくターゲットでお買いもの」なんて出ていますよね。
日本ではよく「コンビニで仲良くお買いもの」が撮られる(笑)。全然コンビニのCIに貢献していませんねー。
ご存じ、スウェーデンのイケア。ついに6号店が九州初上陸(福岡新宮)します。
イケアは「体験」と「コーディネート」というCPの模範ともいえる企業。
なんといっても、2階部分の「ショールーム」(体感、実感の場)と1階部分の「マーケットプレイス」(セルフの買物スペース)にセパレートしている徹底ぶりです。
イケアは、寝具でも、実際お客様に売場に寝泊まりしてもらって実感するサービスが大人気。こんな発想はなかなか日本にありませんね。
いくら、「これは天然ダウン100%」「最高のスプリングつかっています」と店舗で訴えても、
一度実際寝てみるという経験に勝るものはありません。
お客様とスタッフが一夜を共にするというのは実にユニーク。
コミュニケーションも進み、スタッフはお客様との話から出てきた潜在ニーズをひろってフィードバックします。
翌朝は、皆でイケアのレストランで朝食です。楽しいですよね!
それにしても、イケアは、究極のセルフサービスチェーンストア。なんといっても荷物のつめこみから、組み立てまで基本セルフですからね。
セルフでも、やり方によって「体験型MD」を根幹に据えることができる。これがイケアの革新でした。
米国のSM企業ホールフーズの「ヘルス&ビューティ」売場。
米国ではSMは食品はスーパーマーケット、医薬と化粧品はドラッグストアというくくりはありません。
ホールフーズはオーガニック食品を揃えるという店舗というCIがあり、
化粧品、サプリも当然、「オーガニック」。
ホールフーズでは、「ホールボディ」としてくくっています。
ここでは、「体験プロモーション」と「クロスMD」というCPを組み合わせて、
「ボディ」メンテナンス(シェイプ含む)にかかわる、食品、飲料、サプリ、書籍、CDなどを展開しています。
ボディメンテナンスでは「パンフレット」や「サンプリング」といったCPも効果を発揮します。
ホールフーズでは、男性用のメンズヘルスの小冊子もつくっていて、
「弱心臓対策」「ウェイトコントロール」「消化支援」「エナジー&バイタルティ」「性的機能維持、コントロール」「肥満対策」「前立腺ケア」「ストレス対策」「スキンケア&ボディケア」「ヘアケア、頭皮ケア」「フィットネス&スポーツサポート」「骨、関節ケア」
と、実に12の分野にわたって、ナビゲーションしています。
この「TPOS分類」も小売マーケティングにおけるCPの核のひとつです。