月刊MD5月号のPOP特集でご寄稿いただいたツヨシしゃちょうのブログでも取り上げていましたが、


「支払いを簡単にする」とお客様はついつい買物してしまう・・そのとおりですね。


http://ameblo.jp/tuyoshi-kinoshita/entry-10902402943.html

(ツヨシさんのブログはこちら)


コンビニでも2人並んだら次のレジをあけるというセブンさんがはじめた(?)ルールに慣れてしまった日本人(わたし?))は、3人並んだ日には、もう、イライラいらいら衣良衣良・・。


わたしもかなりせっかちなので、ちょっとでも並んでると買う気が失せます。


海外のチェーンは、優雅にレジの方も座って、マイペースで「ピッ」ってかんじですよね。

長蛇の列に並びようやく順番がきたなあと思ったら、目の前で時間が来たので交替、また一番後ろに並ばされたこともしばしば。


それでも、アメリカでは、エクスプレスレーン(商品点数10点以下*アメリカは1回で大量に買いますから)をつくったり、最近では、スタッフがモバイル端末を持っていて、並んでいるお客様の商品を「ピッ」と精算してくれるそうです。


こんどの月刊MD7月号でロス在住鈴木敏仁さんの連載で紹介していましたが、「ストップ&ショップ」では買い物中にお客様がスキャン、決済できるようなサービスまで開始されています。


FSPとも連動しており、たとえば花粉用のマスクを買ったら、端末画面に花粉症の医薬品が出てくるそうです。


むかしドイツのメトロが志向した「フュ―チャ―ストア」のアレンジバージョンですね。便利なもんです。


日本も、セルフレジの導入が進んでいますが、費用対効果でいえばどうでしょうか?けっこう利用されているように見えます。


さて、セルフスキャンも便利ですが、やはり有人レジって「ストアロイヤルティ」を高める貴重な場所、機会でもあるわけです。


これは以前の月刊MDのコミュニケーション特集で写真図解したのですが、



月刊MD編集長(2代目)のブログ

おつりを手渡すときに目を背けたり・・



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ドラッグストアのレジは医薬品などがあるので、お客様の相談も受けたりします。なので後ろの人が急いでいる場合は、ゆっくり聞けないことも。


相談専用カウンターをつくっているドラッグストアさんも多いですが、レジの列をどう「満足」に転換できるかは、重要な戦略です。


その点、飲食店は上手ですね。待ち列に試飲・試食サービスを行います。ラーメン屋さんなんかは10人くらい並んでも、ぜんぶ先に注文とっちゃいますからね。ベテランだと、10人以上先まで味玉入り、麺かたまで、正確に記憶して出てきます。こういうのはストアロイヤルティを高めますよね。


ドラッグストアもレジの列ができたら、いろいろ試飲・試食をしてもらうといいですよ。


いいことはわかっているけど、そんな人員を割けない・・。


だから「作業問題」って重要なんですね(笑)。


マクドナルドには「コントロールマネジャー」という店舗職能があって、


この人は、お客様目線でスタッフがマニュアルに定められた作業ができているかどうかひたすらチェックする役目です。しかも作業しながら(笑)。さらに駐車場のゴミ拾いとかしながら、自転車の列を直したりします。ちなみチェック項目は100もあるんですって。


なにが言いたいかといいますと、


店舗にはかならずお客様目線で、全体を見る人が必要だということです。


「レジが混み始めたな」「サッカー台が汚いな」「あのお客様なにか探しているかんじだな」・・


アメリカのチェーン店の店長の定義にこんなのがあります。


店長=「お客様にかごをわたす人」


お店のトップは先頭に立って、きょう来ていただいたお客様に挨拶をします。


セルフサービス先進国ですが、クレジット決済ですから、レジに入った人は、何回も来るお客様になればお名前を呼びます。初期のウォルマートはそうやって小商圏で固定客をつくっていったのです。


コストコだって、入口のクーポンを渡す人と出口のレシートをチェックする人はじつはえらい人だったりします。


以前、日本法人社長が入口でクーポンを手渡しながら、「エンジョイ!(買物を楽しんで!)」とお客様に一言ずつ声をかける姿をみて、すてきだなあと思ったものでした。


コストコは究極のセルフサービススタイルですが、不思議とハートフルな気持ちになります。


日本の社長さんも負けていません。


カインズの土屋社長は、新店オープンのときはかならず、入口でかごを渡されています。業界の人間は社長とわかりますが、お客様は関係ありませんものね。


あるときおばあちゃんがチラシの商品を指差して、これどこ?と聞いたのですが、社長はほかの店員にスイッチすることなく自ら売場に案内されました。


こういうトップは素晴らしいと思います。


さて、最後の一枚



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これは、このお店に目的の商品がなく、少し先のライバル店舗にあることを教えたシーンです。

ライバル店にあると教えるなんてとんでもない!と考える方もいるでしょう。

自店の代替商品をお奨めしろ!と言われそうです。


でも店舗の役割はなんでしょうか?まずはお客様のニーズを満たすということなのです。


そう考えれば、ただの道案内だって、応え方が違ってきます。


レジはたんに、笑顔で、速く、正確、かつ待たせないということだけでロイヤルティをつくるのではありません。


最後の印象でストアロイヤルティ全体の評価が定まる極めて重要な役割を担っているのです。