本日は朝からタキヤさんの取材でした。
飯塚社長様のインタビュー後、改装したばかりの「れこっず」新園田店へ。ここは、調剤薬局の併設しています。
「れこっず」は、タキヤさんとミニストップ、CFSコーポレーションが共同出資してつくった「コンビニ&ドラッグストア」フォーマットの運営会社です。
すでにいくつかプロトタイプが出ているのですが、
きょうは飯塚社長からも同フォーマットの商品構成と品揃えについてお話を伺いました。
たとえば、飲料。
「杜仲茶」は花粉症対策でもよく出る商品ですが、
これは単品で考えると食品スーパーでは埋没します。
食品スーパーの主たるソリューションは、「食生活の提案」であり「きょうの夕ご飯のメニュー提案」です。
*もちろん最近は健康的食事の要素も入ってきていますね。
コンビニは全国レベルの売れ筋を置くのが基本ですから、「杜仲茶」はカットされます。
そうなると「杜仲茶」を提案できるのは、ドラッグストアか「コンビニ&ドラッグ」しかありません。
ではドラッグストアと「コンビニ&ドラッグ」の違いはなにかと言えば、
それは購買頻度の違いと来店客層の違いです。
「コンビニ&ドラッグ」はドラッグストアに比べて購買頻度、来店客数が多く、また男性客が多いのが特徴です。
一方、客単価、粗利益率が低くなってしまう難点もあります。
これら相反する特徴をいかにベクトルを合わせ力にするかということが、「コンビニ&ドラッグ」の商品構成と品揃えの肝となります。
また今回は調剤薬局との併設ですから、たとえば糖尿病や高脂血症など生活習慣病の悩みを持つお客様が来店されます。
であれば、当然「杜仲茶」以外の健康飲料を提案できます。ここが食品スーパーやコンビニとの最大の差別化のポイントです。
これを意図し、「商品構成と品揃え」として落とし込めるかも「コンビニ&ドラッグ」成功の鍵を握ります。
「れこっず」では、コールドチェーンを活用した商品作りも進んでいます。
この冷凍の一本さんまもししゃももお弁当のおかずやお父さんのおつまみにいい。
これも食品スーパーであれば、埋没するでしょうが、コンビニでは少ないので特徴になります。
最近はローソンストア100でも力を入れていますね。
缶詰をつくっている大手メーカーさんに聞いたのですが、缶詰のお魚というのは鮮度抜群のときに加工されるので、実は幾多の流通過程を経て店頭に届いている鮮魚よりある意味、新鮮という逆説的な説明を受けたことがあります。
なるほどですね。ここに目をつけたのが「CAS」システムです。
細胞を壊さないで冷凍し解凍する。魚市場で瞬間冷凍されそのまま店舗で解凍します。途中流通におけるカットや再冷凍、再解凍、いっさいなしです。
だからお刺身が美味しい。この機械、えらい高いのですが、オーケーさんの店舗に入っているのはけっこう有名です。
その意味でも、コールドチェーン商品は「コンビニ&ドラッグ」の差別化商品です。
さて、たまたまですが、「れこっず」ではこれらの商品について、期間限定で売上の一部を大震災の義援金に充てていました。
「消費することで支援する」ということがようやくムーブメントとして出てきています。
ただ、これは一歩間違うと「震災便乗商売」と受け取られてしまう危険性もあります。
そうならないための大義名分はいろいろあります。
たとえば東北の生産者を応援するということは第一義ですね。
全国居酒屋チェーンの「養老の瀧」さんはいち早く、東北の酒蔵さんの応援キャンペーンをはじめました。
すばらしい取り組みです。チェーンがやると経済的な力になります。
これがチェーンの「多店舗であることの顧客にとっての価値」です。
いまどんどんこういう取り組みが出てきているのはいいですね。
ただ「便乗」と受け取られないためには、
その店舗の地域における信頼がやはり重要なのではないかと思います。