きのうは月刊MD6月号の取材で、国分寺にある東京経済大学を訪ねました。


こちらの経営学部教授本藤貴康先生のゼミでは、


小売流通企業とのユニークなコラボレーションが進められてます。


今回は、ドラッグストア企業アインファーマシーズさんのドラッグ業態「アイン&トルぺ」と組んだ事例です。


アフリカ原産のバオバブの木になるフルーツを原料としたダイエット食品「ぼでぃきゅん」ゼリーがその商品。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AA%E3%83%90%E3%83%96

(バオバブWiki)


このバオバブフルーツですが、食物繊維がココアや切り干し大根の2倍というスグレモノ。


お腹も満足して、便通もよくなる、よってお肌もよくなる・・という美容効果をうたっています。


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ネーミングからパッケージデザイン、企業プレゼンまで一貫して行っています。

女子力や魅力を「アゲテク」というダブルミーニングのキャッチは、一旦不採用になったのですが、復活して嬉しかったそう。


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本藤ゼミの学生さんたちが、商品企画から店頭に並ぶまで、そして実際の販促活動まで行っています。これは全国でも珍しいでしょう。そのせいもあると思いますが、この厳しい時代にあって本藤ゼミの企業評価は高く、就職率もとても高いそうです。



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きのうは、新学期最初のゼミで、上級生が新しいゼミ生(新2年生)にこれまでの活動をプレゼンする形で授業が進みました。


ネーミングは4チームで各70-80個も考え抜いたそうです。そのおかげか、ネーミングは「即採用」だったそうです。

こういう若いパワーの注入は企業にとってもプラスだと思います。



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一方で、不採用事例も、失敗例もたくさんありました。これは学生さんにとってとてもいい経験だと思います。

本藤先生曰く、

「いつの間にか消費者である立場から離れて売り手の立場でものを考えてしまうことが流通マーケティングの大きな課題の一つ。それを実感できた経験はとても大きい」。


まったくそのとおりだと思います。


売場でどうやって並べるのか、どのようなPOPをつけるのか、キャッチは、内容は、位置は?

価格やターゲット層は妥当か?価格はやや高めです。これをクリアするために必要なことはなにか?

並べた後に消費者の心に訴え続ける方法はあるのか、ネットコミュニティは使えるか・・。

自分は本当に買うのか・・。


このような課題意識をもって、実際の企業活動と関わることで「仮説、実験、検証」のサイクルに落とし込んでいく。


これは得難い経験でしょう。


企業とアカデミズムの連携は、単に商品開発や販促にとどまらず、企業にとってすぐれた人材を小売流通の世界に獲得していくためにも重要な施策と考えます。


最近は小売流通企業による大学の寄付講座も増えましたが、メーカーに比べればまだまだです。

ユニクロやニトリさんが一歩踏み込んで、サプライチェーン構築など専門的な人材獲得のために、特定大学、特定研究室とのコラボを始めているのは面白い傾向です。


もっともっとこういう活動が増えるといいですね。


本レポートは月刊MD6月号にて。楽しみにしててください。


(おまけ)


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東京経済大は、実は高校時代の友人たちがけっこう進んだので、もう20年近く前になりますが、

キャンパスをなんどか訪問したことがあるのです。

この図書館が好きで、国分寺の高台から見下ろす開放的空間設計と素晴らしい風景にぼおーっと見とれていました。

大学図書館で唯一だと思いますが、日本建築学会の作品賞をとったものと記憶しています。


よく待ち合わせをしていたのですが、だれを待っていたんだったけかなあ、たぶん男ではなかったです(笑)。