ドラッグストアMD(マーチャンダイジング)の最大の武器ってなんでしょうか?


それは、


「新しい習慣を提案する」


ということに尽きるのでは、と最近よく思います。


それでお客様が満足すれば、習慣ですから、繰り返し来店していただけます。


新商品でも既存商品でも可能です。


でも、新しい習慣を定着させることは難しい。


だからこそ、ドラッグストアは面白いのではないでしょうか?


わたしは、かつてあるドラッグストアさんに頼まれて店長会議でお話ししたとき、


こんな話をしました。


「もう一点買いを目指すのではなく、新しい習慣の提案を店舗内のあらゆる商品をつかって100個考えましょう」。


簡単なことでいいんです。


ドラッグストアの店頭では、自然にやっていますね。


「歯磨きが終わったら、デンタルリンスをやる」


「お風呂から出たら化粧水をつける」


「ランニングの前に機能性飲料を飲む」


「寝る前に保湿クリームを塗る」


「飲む前に飲む」(笑)。


これを100個考える。


店長も、SVも、パートさんも。5人のスタッフがいたら、500アイデア。

店舗は大体1万5000SKUくらいですから、10%にもなりませんが。


30個くらいまではだれでも思いつくレベルでしょう。


30以上にいくときには、上の基本形にたとえば「誰に」というのを付加してみましょう。


「歯磨きが終わったら、(子供も)デンタルリンスを必ずやる」


「お風呂から出たら(お父さんも)化粧水をつけてみる」


「ランニングの前に(おじいちゃんも)機能性飲料を飲む」


「寝る前に(お父さんも)保湿クリームを塗る」


「(お母さんも)飲む前に飲む」(笑)。


こうすると、50個くらいまでいきますね。


50個以上だと、すこしマニアックになります。でもここが差別化の急所。


最近の面白い習慣提案は、


「朝、歯磨きを2回する」


というのがありました。


食事前と食事後です。


それぞれ一回ずつの場合、前者は高齢者が圧倒的に多い。


サンキューの平野社長の受け売りですが、


朝起きた時の口内雑菌はう○ち10グラム分なんだとか!!


こんな状態で食べる朝ごはんていやですねえ。おいしくないでしょう。


だから、ご飯を食べる前と、食べた後の2回のブラッシング提案をする。


ユニークですねえ。でも朝忙しいからなあ・・。


だから以前、寝る前のデンタルリンス提案もありましたね。


エビデンスをちゃんと歯科医ととってみればいいんです。


「朝2回ブラッシングをする人は、65歳時点で入れ歯率が1回の人の半分」とか。


かなり長期戦略ですけどね(笑)。


話を戻しましょう。


新習慣は、「とにかくこれなら簡単にできそう」と「やらないとまずいよなあ」という強迫観念から入る2パターンがあります。



月刊MD編集長(2代目)のブログ

これは強迫系ですね。臭いよって言われるのが男性を一番、ドラッグへ走らせます(笑)。どれだけわたしもドラッグさんに貢献したことでしょう。



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これは「簡単系」。ちょっと見えにくいのですが、カルシウム強化のカロリーオフのビスケットを「燃焼系サプリ」のところに展開しています。


「間食がやめられない意志薄弱なあなた」への新習慣提案ですね!


ちょっと趣向をかえた新習慣をご紹介しましょう。


これから花粉症シーズンが本格化します。


でもあるドラッグストアでは、1月いっぱいでシーズンの主力商品をほぼ売り切った企業があります。


これは、内服、点鼻、目薬の三点セットをまとめて10%引きしたのです。

去年なった人は、常備薬みたいに考えますからね。どうせ必要だろうと。

しかも目が最初にかゆくなるか、鼻にくるかはわからない。だったら10%引きなら買っとくか。となる。


でも単なる10%引きだから売れたのではありません。


このドラッグさんは、


「当店の誇る名薬剤師にご相談をしていただいたお客様に10%引きいたします」


としたのです。


どこのドラッグさんもポイント何倍デーとかやっていますが、けっこうロイヤルティは低くなっているのが現実です。


このドラッグさんは、


値引き戦略で、「お客様が薬剤師に相談する」習慣をつくろうと考えたんですね。

「ご相談ポイント」という方法を取り入れているドラッグさんもあります。


これによって薬剤師さんの認知度アップと

お客様がどんな悩みをもっているかを知る、とても高密なコミュニケーションがとれました。


ターゲットを広げるという方法もあります。


レトルトの介護食なども、要介護の人たちだけがターゲットではありません。


風邪で食欲がないとき、おかゆをつくる時間がとれない場合、お試し・・という方法もあります。

だから、風邪薬のコーナーにはドリンクのほか、機能性ゼリーやレトルトの介護食、雑炊なども提案できます。



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いまローカロリー系のラーメンや雑炊パックなどが風邪薬コーナーちかくに展開されている例もでてきています。


「風邪の時には、一緒に栄養ドリンク」から「風邪の時には、意外と介護食がイイ!」という新習慣です。

風邪薬を買った人にサンプルを渡してもいい。


さあ、これは店舗ですぐできますよ。IDPOSもいりません。


ゲーム感覚でやることが大事です。しかも質より量。


これができれば、


次は、レシートをつかった「アナロジーゲーム」というMD発想を鍛えるゲームがありますが、

これはまたの機会に!