月刊MD編集長(2代目)のブログ

本日は4月号収録のため三井食品水足眞一社長のインタビューへ。

聞き手は、商人舎代表結城義晴氏、立教大学ビジネススクール特任教授でもあります。

結城さんによる中間流通トップインタビューシリーズは国分さん、菱食さんについで3回目です。


「風土の数だけフードがある」とは水足社長の言葉。


以前、幕藩MDについてブログでアップしましたが、食文化の深さこそ日本の素晴らしさ。


水足社長は三井物産時代、米国駐在の折、奥様が病気になったとき、おかゆを食べながら「わたしたちは日本人でよかったねえ」としみじみ語りあったそうです。


おかゆでも、おかゆに上に鰹だしのあんかけやしそわかめ、ちりめん・・さまざまに病人食のバラエティが存在します。出身地によってご飯の友、「ソウルフード」と呼ぶべきものが多種多様にあります。


その日本の食文化の深さを踏まえつつ、いま水足社長が挑戦しているのが「介護食」の分野です。


「介護食」市場は、まだまだニッチな分野ですが、高齢者にとっては「食の楽しみ」は季節や地域とのつながりを実感できるものとして、重要な分野として育てていきたい、と水足社長は語ります。


介護現場を取材すると、介護食は重要な位置づけです。レトルトは、「愛情がない」「高い」というマイナスイメージもありますが、現場のヘルパーさんによれば、上手に組み合わせることが大切だと言います。


重度の介護の場合、食事作りそのものよりも、食事をする態勢をいかに安全に整えるかというところに留意しなければなりません。よって食事作りにあまり時間をかけられないのが実情です。


また介護食は野菜を均一に柔らかくする下ごしらえも必要です。これも時間がかかります。その点、レトルトは高いのですが完成度が高い。ですから、もちろん手間暇かける手作りも大切ですが、ときに組み合わせることで、介護する人も楽になってもらうことも重要です。


食品スーパーもドラッグストアもこの介護食市場というものをもっと使う人にとって便利で豊かなものに育てていくことができればと思います。


これは一社ではできない。三井食品さんのようないくつもの取引先をもつ中間流通が種を蒔き、小売業が最終消費者の生活シーンを観察し、くみとって、ベンダー、メーカーに還元していく仕組みが確立できなければ、難しいでしょう。


今回のインタビューは、予定を大幅にオーバーして水足社長の独特の持論をいくつもお伺いすることができました。

インタビュアーの結城さんもいつになくたじたじだったような(笑)。


4月号ではうまーくサマリーのみになってしまうと思いますが、楽しみにしててください。