アジア杯の余韻が冷めませんが、

本田圭佑選手のコメントをみると、自分よりも一回り以上年の離れたこの若者のすごさにびっくりします。


まず、冷静にまわりを見ていますよね。チームが勝つためにどう自分が役割を担わなければならないのか・・。


本当はチームが苦しいとき、「超絶的な個人技で俺が救ったと言いたい」という理想はあるけど、まだそれには及ばない・・。そのレベルには達していないからチームのために泥臭く走り続ける。引きつけて囲みを破る。


サッカーは詳しくなくて間違っていたらごめんなさい・・なのですが、むかし日本代表の選手で、おれにボールがまわってこないって言ってた人いましたよね。また前線に出たっきり戻らない。そのわりには前線でボールをもらっても決められない・・。


時代だとか監督の志向だとかいろいろあるんでしょうが、わたしは本田選手の謙虚さ、これは自信の裏返しであり、強烈なプライドがあってこそですが、それを表には出さない・・クレバーというか、スマート&クールというか・・正直しびれますね。


わたしもにわかサッカーファンのひとりなんですが、


いまの若い日本代表の選手を見ていると、ゆとりだのなんだの、日本の未来は暗いなんて言われていますが、すごい世代が育っているという希望も感じます。個人的にはちょっと焦りとか嫉妬みたいなものも混ざりつつ、自分も頑張らないとなあって思います。


日本が暗いのは・・あまり政治のことはこういうところで言いたくないけど、政治の世界はもはや終わってます・・。サンクチュアリ風に言えば、絵空事を言える若手のヒーローがいない。冷徹に現実と数字を見据えた実務家がいない。世界の海千山千のモンスターたちと渡り合える器量がない、既得権益をぶち壊すだけのパワーも金も方法論もない。口先だけの空虚な言葉しか並べられない輩しか見当たりません。


マスコミでも閉塞感を打破する起爆剤・・みたいに日本代表を論じるコメンテーターもいるようですが、まあ感動を有難うーみたいなのが多いですよね。


以前のブログで、ベストマッチングな就職なんてないみたいなことを書いたのですが、本田選手は、いつか自分にあう職業が出てくることを期待して、永遠に自分探しをしている世代というか志向と異なっていますね。やるべきことをわかっているというか、周囲を活性化して勝つためには自分の強烈な個性も押し殺す・・。これができる。


本田選手の言葉をきいていると、サプライチェーンの「全体最適」という言葉の意味をあらためて想起します。ひとりの個性が目立つ「部分最適」ではない。全体が強くなることで、部分のレベルがあがる。それによって継続的な強い構造をつくる。また逆もありです。部分のレベルアップを全体に合わせていく。


だから、「いつか俺が優勝させたって言いたい」という言葉の裏には、「全体のレベルアップ=ワールドカップベスト16以上という見果てぬ夢があるのでしょう。俺ももっとレベルアップする=みんなもレベルアップする。よって全体が強くなる。


今朝の産経だったか、日本代表の若手はどんどん世界のクラブにうって出ている(オファーあってこそですが)。「世界へ出たがらない若者」という図式があてはまらないというような論調がありました。


メジャー志向が激減したプロ野球と対照的で、これも面白い傾向ですね。


本田選手含めてサッカー日本代表という現象が、いま日本にとってひとつの希望の形であることは、間違いないのかなと思います。


いや、わたしもつべこべ言わず単純に感動を有難う!です(笑)。にわかサッカーファンの戯言、失礼しました。