最近、久しぶりに鮎川哲也さんの短編集を読み直しており、古い本格物を手当たり次第鞄に詰めています。

この時代の本格物の推理小説作品はどれも素晴らしいです。


ここまででタイトルでピンときた方は、通ですね。そうです仁木悦子さんの「猫は知っていた」のパクリです(笑)。名作ですねえ。


でも、本日はちょっと深刻な話も入っています。まじめに・・。


きのうは、大田区の大岡山にて取材。介護事業ナイスケアのケアマネジャー水下さんを訪ねました。認知症介護のスペシャリストです。



月刊MD編集長(2代目)のブログ

月刊MD3月号では、「店長検定」という大特集を行います。ドラッグストア、調剤薬局の店長さんが知っておくべき一般常識をカテゴリー別に分類し、検定という形の問題集にします。


水下さんとの打ち合わせは、そのうちの「介護」編です。

ドラッグストアのサービスでも、看護ステーション、介護ステーションと組んだ例が出てきています。ケアマネジャーさん、介護ヘルパーさんといった実務の専門家でなくても、知っておいてほしい、店頭で役立つ「介護」知識をまとめます。目から鱗の打ち合わせでした。


認知症予備軍のお年寄り(若年性も)が増えています。世話する人がいない独居老人の方も増えています。ドラッグストアや調剤薬局が、そんな方々を支える「ともしび」になるといいですよね。


介護認定を受けた認知症の方は、薬の服用を忘れてしまうパターンが多い。だからお医者さんも薬を出しているのに、効き目がないと思って、強い薬を出してしまいます。こういう矛盾に気づくのが、薬剤師さんだったりするのです。もっと言えば、地域の介護ネットワークと結びついた「かかりつけ薬局」の役割です。


水下さんの患者さんも箪笥や押し入れからたくさんの薬が出てきたそうです。ある学会の報告では、自宅で使われない薬の金額は相当なものだそうで、これも医療費高騰の原因。認知症による原因が多いそうです。


さて、タイトルのお話。


介護認定を受けていない、認知症予備軍の方は早期発見することが大切です。単なる「物忘れ」が多いと勝手に判断すると、見逃してしまいます。でも本人は「認知症」とは認めたくないものです。


そこで店頭でちょっと気を使うことで、発見を促す方法があります。それが「財布」。

失礼かもしれませんが、レジのお会計の際、お財布の中身をすこし見て、


「小銭が異様に多い」

「千円札も数枚ある」


にもかかわらず1万円札をいつも出す場合は、注意してみる必要があります。


レジで、「800円です」と言われて、1万円を出す・・実は計算ができなくなっている可能性があります。だから一番大きなお札を出せば間違いない。小銭が財布にどんどんたまるわけです。


海外旅行にいったときのことを思い出しますが、水下さんは、これでご自分のお母さまの認知症を発見し、何人もの方の早期発見をおこなってきたそうです。


現場でしかわからないノウハウですね。

介護問題は、他人ごとではありません。ある日突然、自分が直面する現実です。私も身内がかかわっており、本当に勉強になりました。


でも水下さんは何よりも、世話する人が「楽」でなくてはだめ、と言います。介護現場こそ「笑」を忘れてはいけないそうです。


ほかにもたくさん役立つお話をいただきましたが、それは次号の「店長検定」にて。

この問題は出します。よってこのブログをご覧になった方は、一問得することになりますね(笑)。