薬剤師さんのわがバトルフィールドとも言うべき場所が、「調剤室」。
いまこの調剤室も変わろうとしています。
これは人形町にある薬樹さんの「健ナビ薬局」の調剤室棚です。
ふつうは、薬効別に分類されているのですが、ここは「売れ数」で分類場所が決められています。
もっとも取り出しやすい中段は売場用語で「ゴールデンゾーン」といいますが、この棚のゴールデンゾーンに上位回転率8割の医薬品を在庫日数別に設置しています。
また物流センターとフロントITシステムの連動で、薬剤師さんが薬が届いてから、検品作業をするプロセスがなくなりました。しかもこれまでは毎日発注毎日配送という非効率的な補充態勢だったのを、週2回の発注にし欠品率も改善しました(もちろん急な受注の対応もできています)。
この商品あるい製品が店舗にくるまでの前始末をいかに構築するか。サプライチェーンともデマンドチェーンとも言いますが、これが大切ですね。自転車のあさひさんも、仕様書発注の段階でデザインから部品調達に至るまで製造工場から、店舗までのロジスティクス設計に最大の力を注いでいます。
「健ナビ薬局」の場合は、調剤室の「需要予測」ができるようになって発注と検品という作業の負担が減ったのです。
それでどうなったかと言いますと、薬剤師さんは本来の仕事、お客様の健康相談にのり、慢性疾患の方の家計負担を減らすジェネリックスイッチを提案したりする時間が増えました。また薬樹さんには「シェルパ」と呼ばれる店頭で様々な相談に応じる専門職も設置しています。
同店の取り組みも、作業を効率化、合理化、集中化することによるひとつの回答ですね。
「薬樹」の小森雄太社長も素晴らしいビジョンを持っていらっしゃいます。今後さらに飛躍されるでしょう。
これは人形町店にある子供たちが職業体験に来た時のパネルです。
キッザニアにもいいですが、こういう体験ができる小売り店舗がたくさんあるといいですよね!