プライベートブランド(PB)はメーカー専業のナショナルブランド(NB)ではなく、小売り業が仕様書をつくって発注する商品です。広義ではストアブランド(SB)とも言います。業界ではPBといういい方が一般的ですが、ブログではストアブランドのほうがいいかもしれませんね。


有名なのは、イオンさんの「トップバリュ」、セブン&アイさんの「セブンプレミアム」。ともに好調だそうで、企業の業績にも貢献しています。


最近では、巨大NBメーカーでも小売PBをつくることがあります。不採算の生産ラインを赤字で維持するよりかは、数量が見込めるPBをOEM受注するという発想です。


ですが、小売り側もPBの押し付けで売場をつくると、お客様からすれば、魅力のない売場になってしまうわけで、そこはNBの魅力、信頼と、小売PBの提案(価格あるいは品質)を上手に組み合わせる必要があります。


ユニクロやニトリ、自転車のあさひさんなどは「製造小売」といいますね。あさひの下田進社長のインタビューもすこぶる面白かったです。あさひは元々玩具屋からはじめて自転車のプロショップをつくりました。もっとエコな乗り物である自転車を普及させるために、皆が安心して買える品質と価格でデザイン性の高い自転車をつくろうと、30年以上にわたる努力でチェーン店をつくりあげました。


ちなみにあさひさんはネットではプロ、セミプロ対応ショップを展開し、有店舗では、ビギナーからセミプロまで対応する「ネットと店舗」のデュアル戦略を実現しています。これも自転車という特性を生かした優れた戦略です。


下田社長は、「むかしは休日に車に乗って遠出をするというのが家族サービスと思っていたお父さんが主流でしたが、いまは近所の公園で親子でお揃いの自転車に乗って、自然や街中を楽しむという流れがでてきましたよね。こういう風景をみると嬉しいですよね」と言います。自転車通勤も増えて、オフィス環境整備や道路政策の遅れも目立つようになりました。自動車に比べれば小さな市場ですが、周辺サービスを含めると潜在的な経済効果は高いのではないかと思います。


さてさて、PBや製造小売りのように大規模小売でなくても独自商品をつくることができます。



月刊MD編集長(2代目)のブログ

これは、次世代の薬剤師教育に取り組むネオフィスト研究所の吉岡ゆう子先生のオフィスで見つけたドイツの個人薬局の「のど飴」です。蓋のイラストはその薬局の代々伝わる紋章だそうです。おしゃれですね。中ののど飴は、個人薬局がいくつか集まり、ノウハウを持ち寄って共同開発したもの。それを個別のパッケージにおさめて売っています。商品は共同開発して個別ブランドで売る。ある種のVC(ボランタリーチェーン)ですが、もっと単位が小さなものです。


日本でも最近は、薬局チェーンが医師と組んで開発したオリジナルの皮膚薬などを展開していますね。日本の場合は、製薬メーカーさんの信頼が絶大なので、なかなか小売り発ブランドが作られてこなかったのですが、こういう取り組みもじわじわ浸透してきそうです。地域のかかつけ薬局発の新しい商品提案というのはどんどん出てきてほしいものです。


アメブロで、美容室のコンサルタントをやっていらっしゃる「かっちゃん」さんのブログを愛読していますが、美容師さんと薬剤師、医師のコラボで新しいヘアケア商品も考えられますよね。もうあるのかもしれませんが、ドラッグストアも発毛育毛剤、サロン系の商品まで置いていたりする例があるのですから、商品をただ置いてあるだけでなく、美容師さんのアドバイスやアイデアなどを生かした売場づくりも考えられそうです。


(おまけ)

で、これは先日の九州出張で副編集長が見つけてきた商品です。うーむ、ないすなネーミングですな。ちなみに価格は約半分です。どうかなあ(笑)。



月刊MD編集長(2代目)のブログ