いわゆる一般医薬品(OTC)にもAKBさんが進出しています。彼女たちはすごいですね。
個人的には、進学校よろしく投票によって席次が決まるという過酷な条件の中で、裏ではわかりませんけどお互い切磋琢磨している姿は、競争のない環境下で育ったタレントと違って好感が持てます。まあ秋元さんの戦略がずばり当たって、まんま受け入れてしまっているといえばそれまでですが・・。
来年もこの勢いは続くのでしょうか?
さて、チェーンストアの世界では、セブンイレブンがAKBさんとタイアップしていましたね。
かつてはテレビや雑誌など既存マスコミをつかって「売れ筋」商品を作っていた時代から、店舗メディアやネットの口コミから「売れ筋」がつくられるようになりました。月刊MDはこの現象を捉えて、これからのマーチャンダイジングについて様々な事例紹介をしてきました。いままた既存マスコミ効果の復権もあるようです。
副編集長いわく、この商品とAKBファン層がどれだけマッチングしているかわかりようがないけれど・・という感想でした。売場は華やかですけどね(笑)。
小売の店頭はメディアであり、「店舗数×1店舗あたり来店客数」は既存マスコミに匹敵する絶大な力を持ちます。かつて「少年ジャンプ」が全盛のころ、人気連載の展開によって売れる部数を予想し、各セブンイレブン店舗は仕入れ部数を決めたそうです。しかも印刷所に入る直前工程で。これは取次大手トーハンがセブンイレブンと密接にかかわっていたからこそできるワザ。まさしく需要予測ですね。
ちなみにiPodも当初はぱっとしなかったのですが、米国の大手チェーン「ターゲット」が扱うことによってブレークしたそうです。いまやアップルストアは店舗で500店舗くらいあるそうですね。iPodもこれも店頭発のヒット商品ということができます。
「ターゲット」はディスカウントストアといういわゆる「安売り」の業態なのですが、親会社はデイトンハドソンという百貨店で(いまは切り離されました)NYコレクションのスポンサードとしても知られるチェーンであり、流行感度の高い層に支持されています。おしゃれなディスカウントというのも面白いですね。日本はちょっと本質は違いますが、ユニクロさんやニトリさんに近いでしょうか。
むかし伊勢丹に勤めていた友人が当時ターゲットに並んでいたiPodを見て、「伊勢丹もターゲットをつくるべきだった」と言っていたのですが、いまの百貨店の苦境を見るにつけ、そんな方法もあったのかも思っています。未来を切り開く新しい商品=ライフスタイルを探し出すバイイングが百貨店の真骨頂ですからね。
商品に新たなライフスタイルの可能性を感じることは至難の業ですね。でもときにセブンイレブンやターゲットのようなチェーン企業はお客のライフスタイルを変えていきます。「ファッション=アパレル」から「ファッション=ライフスタイル」への脱皮はなかなか難しいものでしょう。これは百貨店に限らず、日本の小売業チェーン共通の課題テーマではないかと思います。