月刊MD編集長(2代目)のブログ

ことしのヒット商品のひとつでもある「ポケットドルツ」は主として家電チェーンチャネルで販売されましたが、

ドラッグストアも「オーラルケア」という差別化カテゴリーがあるので、こういう話題商品を定番棚に入れ込んで展開している例があります。昨年は、インフルエンザ対策で、小型加湿器やプラズマクラスターの小型空気清浄機など高単価商品を上手に売りきった店舗もあったようです。


最近は、ヨドバシカメラさんやヤマダ電機さんなど家電チェーンの「理美容コーナー」の品揃えはすごいですね。東急ハンズさんも美容コーナーは大変伸びているそうです。


ヨドバシの分類方法はいつも面白いなあと感心します。ドラッグストアでも最近は、ようやく男性化粧品コーナーに力を入れていますが、ヨドバシはかなり前から男性用理美容家電コーナーを展開していました。グルーミングだけではなくスキンケア分野もどんどん広がっており、各メーカーの参入も増えているようです。ちなみに男性化粧品市場(約1000億円)は、女性のおよそ10分の1の規模ですが、伸び率は2-3倍であり、力をかけるべき領域のひとつですね。


月刊MDでは今回、異業態のヘルス&ビューティ売場の内容に迫っています。家電チェーンもたとえば、いま売れ筋のヘアアイロンとスタイリング材を組み合わせて関連販売を促しているなど、工夫が見られます。いま売れている携帯用のヘアアイロンなどは、ドルツと同じくドラッグでも打ち出せる商品ではないかと思います。


ドラッグストアは歩数計や体組成計など健康関連機器が売られています。大型タイプやあまりに高価格帯の商品は売場の制約もあり、難しいかもしれませんが、ドラッグストアには予防未病対策、健康に関心のあるお客様が多く来店されますから、医薬品や健康食品とともにさまざまな提案をすることも可能でしょう。薬剤師や管理栄養士という専門家もいるわけですから、説得力も大です。


もっと言えば、「家電チェーン×ドラッグストア」という組み合わせもこれから出てくるかもしれませんね。そうはいっても家電チェーンの医薬品や化粧品はまだまだ「ただ置いてある」というところも多いですから。いろいろ知恵を出し合ってお客様の支持を得る新たな業態をつくっていけるかもしれません。


最近はスポーツ専門店のゼビオさんが「健康」という切り口でユニークな業態づくり(店舗名「ジアシス」)を行っています。スポーツ用品を売るだけではなく、たとえば、体のコンディションを考えた運動の方法や、けがのフォロー、けがをしないようにする方法を売場で説明します。また子どもの成長に合わせた体のメンテナンス方法開発などにも取り組んでいます。


他業態がどんどんヘルス&ビューティケア分野に出てきていますから、ドラッグストアも健康、美容家電を積極的にとりこんでいくマーチャンダイジングや物販と専門サービスの新しい組み合わせに挑戦しても面白いのではないかと思います。


家電チェーンのヘルス&ビューティ記事は月刊MD2月号(1月25日発売)、ゼビオの「ジアシス」の記事は、現在発売中の月刊MD1月号に掲載しています。


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