巾木一両の書き垂れ劇場 -2ページ目

巾木一両の書き垂れ劇場

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其ノ 弍拾参 迄が 前に書き込んだ分です


これからが また


【妖師探偵】の始まりです

途切れる事なく 週2回は

掲載出来る様に 務めます


其ノ 弍拾四は 水曜日迄に アップ致します


舞台版は シンプルな物語なので


書き込み版は こんな感じで


書き続け様と思いまするm(__)m


因みに 妖師探偵は


あやかし たんてい


と読みます 宜しくお願い致しますm(__)m
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隼人が 武内老人の後を付け 岩船に向かっていた頃
菊地彦は 菊地一族の阿蘇(あそ)宇木南(うきな)と共に 車で三輪山(みわさん)へと竹の内街道を走らせていた…


菊地彦「阿蘇さん 一族は集まっているのですか?」

阿蘇「ああ 心配ない 緒方家 隼人族 大神家 日野家 宇木南家が この竹の内街道を飛鳥から 奈良迄 網を張っている」


宇木南「昼間となれば 餓鬼共は 嫌でも人目に付きます 我等 菊地一族が 総力を結集すれば 燈九郎を 見つけ出すのも 時間の問題でしょう」


宇木南の言葉に 反応ぜず 菊地彦は 後部座席で思考を巡らせている 運転をしている阿蘇がルームミラーで 菊地彦の険しい顔に気が付く…


阿蘇「菊地彦 どうした?」


菊地彦「…どうも引っ掛かる 国東(くにさき)の 山奥にあった ヤマタイの馬頭観音 それに 以前施餓鬼寺で見た 人格化した 馬頭観音…もしかしたら スサノオと何か関係があるのかも知れない…」


阿蘇「それは施餓鬼寺の観音を見たからか?」


宇木南「何の話です?」


菊地彦「スサノオは アマテラス(太陽)とツクヨミ(月)の弟だ なのに あの馬頭観音の脇侍(わきじ『観音像の両側にいる菩薩の事』)には 日光 月光(がっこう)だったんだ」


…古事記によると イザナギが黄泉(よみ)の国を脱出し 禊(みそぎ)をしたおり アマテラス ツクヨミ スサノオの 三貴神(さんきしん)が生まれた アマテラスは高天ヶ原(たかまがはら)を ツクヨミは夜の国を治める…太陽と月の 神格化である ところが スサノオは 高天ヶ原で乱暴をはたらき 生皮(なまかわ)を剥(は)いだ馬の死骸を 神聖な機屋(はたや)に投げ込むなど 地上に暗黒をもたらすとして 根の国『現在の島根』に追放される…このスサノオについては 暴風の神とも 蛇神とも 悪の化身とも云われているが 現在迄 その解釈では 確固たる決着が されていない…


菊地彦「…何故 馬頭観音なんだ…スサノオとは一体…」


阿蘇「その話で 思い出したよ 例の 羅傲(らごう)を書いた 紙片だが これは密教の 儀軌(ぎき)にあたる 仏像らしい 宿曜経(すくようきょう)で云う 九曜(くよう)の像に似ている 羅傲は災害の前兆と云う星があり それを抽象的(ちゅうしょうてき)に現したものだ…頭上の蛇は 通常9匹の筈なんだが この紙片の羅傲には 8匹しか 書かれていない…」


阿蘇の話を聞きながら 自分の考えを擦(す)り合わせていた その時 菊地彦の携帯がなる


菊地彦「私だ…そうか…判った…緒方達が燈九郎を大極殿跡 辺りで捕捉した 行くぞ!」


阿蘇は 興奮気味にアクセルを踏み込むと 3人の背中は シートに沈む 菊地彦自身も 心の逸(はや)りを 抑えながら 心の中で呟いていた…


菊地彦「待っていろ…必ず お前を引き摺り降ろして スサノオを手に入れて見せる…」


菊地彦達を乗せた車は 砂塵(さじん)を撒(ま)いて 竹の内街道を 駆け抜けて行った…


【妖師探偵外伝・誕生篇】 其ノ弍拾参 完

其ノ 弍拾四に 続く…
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奈良県福原 益田(ますだ)の岩船に 武内老人はいた 武内は古墳の周りを回り 裏に廻ると 大きな岩を重ねて出来ている 古墳の下の土を掘ると 何かの仕掛けを掘り出し 引っ張った すると 岩船の岩の真ん中が ゴンッと云う音と共に パックリと内部に通じる穴が開く… その様子を 影から見ていた隼人(はやと)は 怪訝(けげん)な表情を浮かべている


隼人「岩船の一部が開いた…どうして奴は こんな 色んな秘密をしているんだ?」


…この益田の岩船と云う 巨大な遺跡は 古代の天文台ではないかとも言われている…


隼人「竹の内街道は 蘇我馬子(そがのうまこ)が作ったものだ…蘇我氏… 蘇我氏の祖先は確か…」


隼人は 武内老人が岩船の中に入って行くのを 確認すると 後に続いた… 岩船の内部は 広い空洞に なっていた 武内老人が懐(ふところ)から 懐中電灯を取り出し 壁を照らしている その もれた明かりが 岩船の中を 薄く浮かび上がらせる 隼人が天井(てんじょう)を見ると 星縮図(せいしゅくず『星座を形取ったもの』)が あちこちに 描かれている


隼人「この岩船は 天武天皇(てんむてんのう)が 作ったと言われていたものだが… 古代の天文博士や陰陽師は この岩船の中で 星の観測や 占星(せんせい)をして 暦(こよみ)を作り 吉兆(きっちょう)を占ったんだな…やはりここは 古代の天文台だったんだ…」

武内老人は 岩船の隅にある 大きな卵型の石の様な物を照らしている


武内「もうじき また これが必要になる」


隼人は武内老人の独り言を聞きながら…ふと壁の方に目をやる…武内老人が 照らす明かりには 鋭い牙と爪が生え 荒々しい鬣(たてがみ)を振り乱す馬の装飾が 目に飛び込んで来た


隼人「あれは…竹原古墳にあった装飾と 全く一緒だ あの神馬は いったい…?」


隼人は 困惑しながら 武内老人に気付かれぬ様に 岩船を出る…


隼人「星と馬…何が 関わっているんだ?それにあの丸い石は…」


考えが まとまらず 歩き出す…突然!隼人の身体に 風がまとわり付くと 目の前に是空(ぜくう)が現れる

隼人「お前!?」


是空「急ぎの知らせを持って来た」


隼人「今度は何だよ!?」


是空「菊地彦達に危険が迫っている」


隼人「どう言う事だ!?」


是空「奴等は 餓鬼共の 恐ろしさを知らない 今うかつに燈九郎に近付けば 餓鬼の餌食(えじき)になるのは必定(ひつじょう)だ」


隼人「判った 早速 菊地彦様に連絡を」


是空「無駄だ」


隼人「何が!?」


是空「菊地彦達は今頃 三輪の山奥だ」


隼人の携帯には 留守電のガイダンスが 虚しく流れている


是空「隼人 三輪山へ急げ 私は 武内老人に伝言を 届けた後 先に 菊地彦の元へ行く」


隼人「判った…でも何故 愛結夢は 菊地彦様の事を?」


是空「私は 愛結夢様の式神(しきがみ) 主人の命令を 忠実に遂行するだけだ 故にその質問に答える事はない」


隼人「…」


是空「急げ!!」


是空の恫喝(どうかつ)に促され 走り出す隼人 是空は踵(きびす)を返し岩船へと向かうのだった…


【妖師探偵外伝・誕生篇】其ノ弍拾弍 完

其ノ 弍拾参に続く…