地下鉄サリン事件が起こった時、私はすでに17歳だったけれど、田舎の女子高生であんまり身近ではなかった。事件の被害が出たのは霞ヶ関駅周辺だけだと思っていて、官庁勤めの人は大変だなぐらいの認識だった。
先月の死刑執行があり、起訴されていないが有名な元オウム幹部と同じ会社出身の人がいると職場で話題に上った。普通に真面目に暮らしていても、何がきっかけで罠にハマるか分からないなぁ。
林郁夫受刑者は、地下鉄サリン事件の実行犯で唯一、無期懲役の判決を受けた。それは、彼が自首をし、それをきっかけに一連の事件が解決に向かったからなのだが。
「慟哭の裁判」と呼ばれ、マインドコントロールがとけて、自分の犯したことの過ちに気づいてしまったら、果たして自分だけ生きながらえることに疑問を感じないのだろうか?(だって、ほかの弟子たちだって、麻原彰晃に操られていたんじゃないの?)
そんな風に気になって、本書は既に絶版になっていたので、BookLive!で電子書籍を購入。
スマホで読めるから、通勤途中に読んでいたのだけれど、検察の情状証人として遺族が証言するくだりから無期懲役の判決が出るところまで涙が止まらなかった。
自首が認められたからといって、必ず減刑されるわけではない。(岡崎一明は死刑だしね)
彼がサリンをまいた千代田線で被害に遭った霞ヶ関駅の職員2名の遺族は、当初「極刑をのぞむ」とコメントしていた。
しかし、裁判が進み、彼の証言により事件の全容が明るみになっていく中で、彼が心から後悔し、真摯に反省してることが伝わったことで、遺族の気持ちが変わっていったことが非常に大きかった。それが、死刑にならなかった理由のようだ。
私の認識とは違い、実際には3路線5経路で犯行が行われ、霞ヶ関周辺だけでなく、東京中で大パニックが起こった事は想像に難くない。
それに、オウムの犯罪は地下鉄サリン事件だけではないしね。。。
「アンダーグラウンド」も読んでみようかなと思いつつ、何だか読むとしんどい気持ちになるような気がして、躊躇している。