欧州アルプスの町と村(5/5 見えない教育と地域の育成) | mcramのブログ

mcramのブログ

ブログの説明を入力します。

R0011449絶望と失敗の繰り返しの中から生まれた政策…、異文化との交流からオリジナルの文化を創造した歴史…、アイデンティティーのある国民性…、どれをとっても一言にお国柄と片付づけてしまうことには、やや抵抗がある。

現在、私は都市と農村との交流を試みる施設に勤務している。休みとなれば、この施設は大勢の街の人達で賑わう。訪れる人達は、「そこに行けば何か新しいものがあるのだろう。」と心弾ませながらやって来ているようであるが、よく耳にすることは、「ここで何をすれば良いのですか?」「こんな何もないところで何ができるのですか?」である。

確かに施設の周辺は、田畑や野山の木々に囲まれ一見何もないように見える。そして、彼らの要求の多くは、カラオケやゲームセンター、卓球、テニスコート等の遊具類の存在や、温泉の有無であり、アルコールの量の心配なのである。

R0011463つまりは、保養・休養施設に対する固定観念があり過ぎるのか、道具がないと何もできない人々が、村の風景の中で右往左往しているのである。

今回の欧州研修で訪れた国々は、初めての土地であるにもかかわらず、我々はすぐさまにその土地に浸透して行くことができた。言語や文化、価値観の違う国からやって来た我々が、不思議な導入のトリックがあるかのように、「お客様」としてではなく「わたしたちもこの街の住人」と錯覚するような、愛しい気持ちで滞在することができた。

R0011455そのトリックとは、風景と洗練された町並みとがうまく拘わり、人々の暮らしぶりがその中で輝いて見えたことが、訪れる側と受入れる側の価値観のギャップを修正しているように思えてならないものであった。
訪れる人々の価値観の違いに、不思議な視覚コントロールを与えているように感じたのである。

それはきっと欧州らしさというよりも、フルプメスらしさ、ムルナウらしさであったのではないかとも思う。また、「オーストリア人であることに…チロル人であることに誇りを持っている」という住民意識が、この魅力的な空間や人材を育んでいるように思えてならなかった。

ここで考えることは、たくさんの“地域おこし”が展開されている現在、確固たる固有のアイデンティティーを確立するために、今後は来訪者と地域住民との接点において、交通整理役も必要になってくるのではないであろうか。

また、並行して住民の賛同を得るための啓蒙普及活動も行うべきであろう(評価基準の整理のためにも)。
理想的な形としては、各事業のコアセンターやスキー場のように集客力ある施設に、ビジターセンター的要素を持たせ、来訪者へのルールやマナーをアピールしたり、地域の住民を交えてイベントを展開し活動をするという、インタープリターのようなものを設置することは考えられないであろうか。
R0011437
欧州で目の当たりにした、政府観光局のインフォメーションセンターは、地域と外来者とを結ぶパイプラインとして、とても魅力的なものであったことも付け加えておきたい。



人気ブログランキングへ