ドンペリ玄関 @ 小説置き場 -24ページ目

ドンペリ玄関 @ 小説置き場

 グループブログ「ドンペリ玄関」です。
 基本的に、小説を書いていこうかと思ってます。



 第一話


「よぉ田村!」
 教室へ入ると、星和の親友、広江恵一が話しかけてきた。
「おはよう、広江」
「はよぉ~」
 二人は特に何も言わずに、それぞれの席へと座る。二人の席は窓側で、なんと縦に並んでいる。恵一が前で星和がその後ろだ。
 星和は、教科書などを机の中へ雑に詰め込むと、何かを思い出したかのように、声をあげた。
「あっ!」
「どうした?」
「広江さぁ、昨日のアレ、見た?」
 顔にはてなマークを描く恵一。
 星和はそれを見ると、少し残念そうに息を吐いた。そして直ぐに、
「昨日の怖い話特集のことだよ!」
 と言った。
「あ? ああ、あれな、見た見た! 怖かったよな~」
「そうだよな、どれが怖かった?」
「ん? ……そうだ、な……」
 少し考え、
「やっぱ一番は、『母』だな」
「あれ? 怖かったか? 俺は普通だと思ったけど」
 『母』とは、昨晩テレビでやっていた怖い話特集の最後を飾った、怖いというよりも不気味、という言葉の方が合う話だった。
 登場人物は母と、病弱な子、の二人だけだ。
 話も短く、母が病弱な子に食べ物を食べさせようとするが、何も食べてくれない。そんな時に、村人の話を聞く。
「なあ、聞いたかィ? アッチの方では、病人に人間の肉を食べさせるらしいぜェ」
「おいおいそりゃあ冗談でもこえぇよ……」
「それが、どうやら冗談じゃないらしい。俺の知り合いもそこで風邪引いて、無理矢理食べさせられたらしいぜィ?」
「ひぇぇ、そりゃとんでもねぇ話だな……うえぇ! 昼飯入らなくなんじゃねーか……」
 それを聞いた母は、その村人の一人を森へ連れ出し、殺した。
 村人の血が何日も洗っていない、ボロボロの着物にグロテスクに付着するその、生々しい映像を見たときは、星和も少しだけうっ、となった。
 心霊系ではない分、人間的なところで恐怖が増大する。だが、星和はそんなことを考えていなかった為、別に驚くほど、怖くなかったわけだ。
「俺昨日なかなか眠れなかったぜ!」
 自慢のように話す恵一を遮るかのように、チャイムが鳴った。しかし恵一は、構わず話を続ける。
「だから、寝る!」
「寝るのかよ……」
 そんな感じで、学校を満喫する。
 星和は、どちらかというと家より学校の方が好きだった。
 特に意味はない。強いて言うなら、友達と一緒に入れるから、だろう。少なくとも星和はそう思っていた。

 学校が終わり、家へ帰ってくる。
「ただいまー」
「あら? 星和、お帰り。早かったわね」
「今日は部活なかったから」
 星和は卓球部に所属しており、無学中学校の期待の新人だ。
 いつも遅くまで先輩達と練習をして遅いぶん、活動がない今日は、随分早いと感じる。
「ん、今日はハンバーグ?」
 ハンバーグ特有の、なんとも言えない肉の匂いが、星和の鼻を刺激した。
「ええ、そうよ」
 でも、と言葉を区切る。
「今日のお肉は、少し違うわよ?」
「え! もしかしていいお肉!!」
「さぁ、どうでしょうね」
 母は、ふふふと言って、キッチンの方へ向かった。
 何故だろうか、この時母の表情が少し、濁っていた気がする。
 星和はそのことを考えていたが、やがて漫画を読み初め、その疑問は脳裏から消えていった。




 なんか、吐きそう……(ウエップ