
ジーゼルバッハ島に
1つの精神病院があった
慈糶(じぜる)病院
患者は200名程度
看護師、医者、カウンセラーは50人程
年間自殺を含め20人ほど死亡している
そのうちの12人は明らかに人の手によって殺されているが
誰も気になどしない
そんな病院に一人の新人看護婦がいた
何を隠そう世鶴である
三人目のターゲットは
この慈糶病院に勤めている
須藤 美香(すどう みか)
彼女は患者を裏山へ連れ込み
暴行を加えた後
灯油を頭からかぶせ
焼き殺す
正真正銘のサイコパスである
運のいいことに
研修指導者として
世鶴の指導者に須藤がつくことになった
髪の色は白と奇抜だが
静かで常に哀しそうな顔をしていた
イメージと違う
もっと園田みたいな感じだと思っていた
世鶴は須藤に話しかけた
と言ってもたわいもない話だ
「須藤先輩っ哀しそうな顔してますけど…何かあったんですか?」
須藤が言った
「ここの患者さん、殆どは二度と社会に復帰できずにこの世を去るの、そのことを思うと悲しくて…ね」
透き通るような綺麗な声だった
世鶴は半ば疑い始めた
本当に須藤が犯人なのか
それともこれは仮の姿で
反証はは180度ちがう悪魔
マイクラのガストみたいな感じなのか
疑問は湧いたが一向に結論は見いだせなかった
死体が見つかるのは
毎月1日
つまり患者が殺されるのは
毎月末
つまり今日である
PM11時55分
世鶴は仕事を終え
受付から少し離れたロッカーで着替え
バレないように須藤を見張る
須藤は受付で椅子に腰掛け
何やら作業をしている
その時
悲鳴が響きわたった
世鶴がそれに気を取られ
慌てて須藤のいた場所へ視線を戻すと
須藤の容姿が全くの別人になっていた
髪はボサボサになり
目は見開かれ
胸元ははだけ
口は少し笑ったように引き攣っていた
そして須藤は受付を出て
患者のいる病棟の方へと歩き出した
世鶴は須藤を追った
ある病室を前に
須藤の足は止まった
そして病室のドアを開けると
操られるように患者が出てきた
そして
裏庭につながる非常口へと向かっていった
須藤は裏山に着くなり
患者を座らせ
笑いながら頭から灯油をかけた
そしてライターを取り出した時
世鶴が止めに入った
須藤は舌打ちをして
ポケットからカッターを取り出した
世鶴は驚いた
昼間と性格が全然違う
「す…須藤さん、患者のこと可哀想って言ってたじゃないですか!」
須藤は笑った
「そうよ、可哀想よ二度と社会復帰できずに私の手で殺されるんだもの」
世鶴は須藤という人間に怒りを覚えた
「貴女…それでも人間なの?患者を何だと思ってるの!?」
そう言う世鶴に対して須藤は
あざ笑うかのように言った
「これだから偽善者は困るのよね~、何が『患者を何だと思ってるの!?』都合のいいストレス発散道具にしか思ってないわよ、どうせあんただって自分の人間性を良く見せる道具にしか思ってないでしょ?必死で同情してれば他人からはいいように見てもらえるし、かと言って自分から患者に対して何の奉仕もしないんだから、一方的な儲けよね」
「そんな事無い!」
「じゃあなんでアンタはごくごく普通の人間と付き合ってるの?本当に可哀想だと思うなら自分から率先して患者どもの性欲処理に身を捧げればいいんじゃない?」
須藤も今井の存在を知っていた
世鶴は言い返せなかった
確かに図星であったからだ
自分は今まで可哀想という感情は持ったことは何度もあるが
実際に何かをした事は無い
「で…でも、殺すのとはまた訳が違うでしょ!!ストレス発散だからって殺して言い訳ないじゃない!」
世鶴の必死の反抗に
須藤はため息ひとつつき
先程のカッターの刃を出し
奇声をあげて切りかかってきた
世鶴はギリギリかわした
カッターは世鶴の後ろにある
木に深く刺さり
抜けないようだ
世鶴はその隙にと
ポケットの中の手錠を取り出した
と…思いきや
手錠ではなく手帳を持ってきてしまった
世鶴がポケットの中をあさってるのをみて
須藤はカッターから手を離し
逃走した
世鶴は追いかけたが
最終的に見失ってしまった
残っていたのはライターだけだった
~次回予告~
ついに最後のターゲット
焉龍(えんりゅう)
焉龍とは一体何者なのか
そして園田は本当に生き別れの姉なのか
てか今井は何をやっているんだ
POG終
金と龍と白