第三話
……夢だったのか?
時刻は午前八時。場所は学校。
いつも通りの光景が、星和の前に広がっていた。
昨日、とても怖い夢を見た。
母さんに殺される、とても怖い…………『夢』。
本当にあった出来事のように感じる。しかし記憶が途中でなくなっているところを見ると、夢だったのだろう……と思う他なかった。
「やー!」
前の席に座っている恵一が、他の生徒とはしゃいでいる。
いつもならその声を煩いとイライラするだろうが、今日は違った。
「羨ましいよ。悩みなんかなさそうで」
独り言で言ったつもりだったが、案外相手には聞こえているようで、
「何だよ、なんか文句あんのか?」と、言われた。
「いや、なんにもないけど……」
「そういやさ」
何かを思い出したように右手で左手を叩いた。パチン! という気持ちのいい音が、朝のゆったりした教室にこだまする。
「昨日の夜、お前のカーチャンを見たぞ」
「昨日の……夜? それは何時くらいだ?」
「うーん、九時くらいだったかな……コンビニに食いもん買いに行った帰りに見たから、それくらいだと思うぜ」
中学生がその時間帯にコンビニに行くのもどうかと思うが、今はそこは無視しておく。
問題は母のことだ。
「九時くらいに家から出ていったっていう様子はなかったけどな」
家には確かに人の気配はあった。
その時間帯なら、星和はずっとリビングでテレビを見ていた。だから母が出ていくことも絶対に気付くはずだ。
しかし、昨日の夜はそんな出来事はなかった。
第一、九時くらいに母と話をしたような気が…………!
「その話詳しく教えてくれ!!」
考える余裕も無く、星和は大声でそう言った。
「ど、どうしたんだよ……血相変えてくれちゃって……」
「そ、その時……母さん、家に居たと思うんだ……」
星和は恵一に昨日の寝るまでのことを詳しく話した。恐怖の夢の話は、していない。
「それは、ありえない話だな……」
「そ、そう思うよな」
「うーん…………。昨日の夜さ、俺がコンビニから家に帰る途中でゴミステーションがあるの知ってるか?」
コクリ、と頷く。
「そこにお前のカーチャンがいたんだよ。暗くてよく分からなかったけど、多分……笑ってた」
ゾクリと、全身系が揺さぶられた。夢であろう、あの記憶が鮮明に脳の中でフル再生される。
「な、なあ、これは俺の見間違いかもしれないぞ……? あの人は田村のカーチャンじゃないかもしれない……。ああ、なんで俺、こんなこと言ったんだっけ?」
星和だけじゃない。昨日の夢を知らない恵一でさえも、体を小刻みに震えさせている。
キーンコーンカーンコーン
授業が始まる合図だ。他の生徒達は次々に自分の席へと座っていくが、星和と恵一の二人だけは、先生が来るまでずっと立ちっぱなしだった。
学校も終わり、生徒達は次々に、部活へ行くか下校している。
カラスがカーカーと妙にうるさい。
「田村、部活行こーぜ」
恵一が力の無い声で部活へと誘う。大分元気が出てきたようだが、まだまだ本調子とはいかないらしい。
「いや、いいよ……俺はそのゴミステーションへちょっと行ってみる」
「お、おお、分かった……」
引き攣った顔でバイバイと手を振ってくる。それに答え、手を振り返す。
夕日が、まるで星和の心を表しているかのように、赤黒かった。
例のゴミステーション到着したのは、恵一と別れて三十分後のことだった。
「はぁ、疲れた」
ここまで一休みもせずに歩いてきた為、足が痛くて仕方がない。しかも、最後の五分程は全速力で走ったから、息を切らせている。
呼吸を整えながら、ゴミステーションの方を見る。
そこにはゴミひとつ入っていなかった。近くの電信柱に貼ってあったゴミ収集表を見てみると、丁度、今日ゴミの日だったらしい。
「ええ!! ゴミ収集車来てたのか……」
これでは母が、何の為にゴミステーションに来ていたのかわからない。
その時の事だった、
「ッャアアアァァァ!!!!」
掠れ声の悲鳴が聞こえた。
「ッ!? な、なんだよ!?」
昨日の夢が、走馬灯のように脳裏を過る。
風が、吹き始めた。
始まる。何かが。
――惨劇の始まりの悲鳴。それは、実は、ずっと前に……
「キミノスグソバデ、ナリヒビイテイタンダヨ?」
「え?」
誰かの声が、聞こえた気がした――
ずっと前に書き終わって、PIXIVのほうには投稿してたけど、こっちに投稿するの忘れてたパターン←創設書こう――無理だあああああああ!!!!
きち○いすぎワロタwww
嘘です皆様そんなにひかないでください
ではさようなら~