POG 弐話 厄介破壊損壊男 | ドンペリ玄関 @ 小説置き場

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園田との一件からしばらくして
世鶴は次のターゲットである
栗井 一(くりいはじめ)
の書類に目を通していた

緑色のモヒカン
丸レンズの黒いゴーグル
日の丸がプリントされた深緑のフライトジャケット

ハーレーを乗り回す
元暴走族の頭

今では銀行や宝石店を爆破させ
金品を持ち去る
リフォームの匠と呼ばれ毛嫌いされている
栗井の住処は港の倉庫
しかし周りには地雷やらトラップやらが張り巡らされ
とても一筋縄ではいかない

世鶴は深くため息をついた
その時
机に置かれていた人の顔の置き物の鼻のところに
「ここを押して」
と書かれていた
言われたままに鼻を押すと
部屋の壁が回転し
手錠やらムチやらが出て来た
飛び道具がスリングショットしかないのが玉に瑕だが手錠とムチ、スリングショットとガスマスクを持って
港へと向かった

港、と言っても港らしいものは何もなく
砂浜にぽつんと倉庫が建っている
世鶴はそこら辺に転がっている手頃な石を手に取り
倉庫に向かって投げた
途端に大爆発が起きた
地雷かセンサーに引っかかったんだろう
続けて石を投げまくる
石の飛んだ方向で爆発が起きる
途中で医師も投げたような気がしたが
そんなことは気にならない

何回か爆発が起きたあと
馬鹿でかいエンジン音が轟いた
砂を巻き上げたせいか
砂埃でエンジン音が轟いた方向を見ても
人影すら見えない
世鶴が岩陰から顔を出すと
エンジン音と共に
岩に何か素早いものが当たり
岩が少し削れた

銃弾だった
それを皮切りに
岩に向かって大量の銃弾が撃ち込まれた
それとともに砂埃が収まり
緑のモヒカンが姿を現した
発砲をやめたのを確認して
世鶴は岩陰から顔をのぞかせた

栗井 一

ハーレーにまたがり
マシンガンを肩にかけ
栗井は言った
「しぇしぇしぇのしぇ」

「それ言ったらアカンやつや」
世鶴は久しぶりにつっこんだ
「俺に何の用だ?この島じゃ見かけない顔だが…俺のファn
「そんなわけ無いでしょ、私はこの島から出るために貴方を捕まえなきゃいけないの」

「そうか、そうか、つまり君はそういう奴だったんだな」
どこかで聞き覚えのあるセリフを放ち

ハーレーに乗りある程度離れたところで
銃を乱射し始めた
世鶴は岩陰に隠れ
チャンスを伺う
しかしスキがない
弾の詰め替えもしないのかと思うほど
撃ちまくってくる
砂埃が舞い栗井の姿も見えない
世鶴は石をスリングショットで飛ばすが
当たってる感覚も得られない
そして地雷を爆破させるときに使い過ぎたせいか石がもうない

手玉がないときは敵の弾
そう思ったが
栗井の弾はかなり外れている
もしかして舞い上がった砂埃は
栗井の目隠しにもなっているんじゃないか
そう思った世鶴は
岩陰から出て
ゆっくり歩いた
まだ同じところを撃っている
アホである
銃弾の軌道を頼りに距離を詰める

お互い見えないであろう距離に立ち
世鶴はムチで思い切り叩いた
「あっふん」
という奇声を発して
銃撃が止まった
砂埃が収まった時
栗井はもういなかった
火薬の入った小さな袋
そしてボウガンが置かれていた

世鶴はその二つを拾い上げ
その場を去った
しかし世鶴も自分自身謎だった
普段ならこんなことは微塵も思わないが
争う事に喜びを感じていた
敗北のリスクについて考えなくなった
だがいくら考えても結論は見えなかった


~次回予告~
三人目のターゲット
須藤 美香(すどう みか)
ある精神病院の裏山では
月に一度の頻度で死体が見つかる

POG参話
フレイムサイコパス