ある日、無学町という小さな町で、一件の殺人事件があった。
それは一家大虐殺という凄惨なものだった。
その事件から三日後の、無学町……
「星和……逃げろ……」
森の中で、男が物を言った。酷く息を切らしている。何故なら、男は全速力で走っているからだ。まるで、なにかから逃げるかのように。
ザク、ザク、ザク
男の数メートル後ろで、足音が聞こえた。
「クソッ!」
男はさらに加速する。男の少し太い体型には相当な負担がかかるような走り方だ。そう長くは持たないだろう。そう男自身も考えている。
ザク……ザク……
ゆっくり、ゆっくりと足音が聞こえる。
男との距離はどんどん空いていく。男はやった! と思った。その瞬間、
「アナタ、夕飯の時間よ?」
全身が悪寒に包まれた。距離は空いている、大丈夫なはず……。
男は走りながら、ある事を言おうと考えた。
「もう嫌だ! お前なんて……」
「アナ、タ?」
「お前なんて……!」
「……?」
「大嫌いだ!! 最低だ!! この……」
「アナタ……やめ――」
「鬼畜!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
男が最後の言葉を言うや否や、女性の様な声が悲鳴を上げた。
そして、
グサッ! と、草を足で踏んだような音がした。
しかしそれは草を踏んだ音ではない。
バタン! と後で何かが倒れる音がした。
「星……和……――」
男は地面に倒れ、まるで死んだようにピクリとも動かなくなった。
「うぅ……うぁぁあぁぁぁぁああああ!!」
悪夢の始まりを告げる、低い喘ぎ声。
月が、ほんの、ほんの少しだけ、赤いように見えた。
『えー、四日前の無学町殺人事件ですが……凶器はナイフだと思われております』
恐いなぁ、田村星和はそう何気なく思った。
朝ごはんを食べている時にそんな話をされては、なんだか気持ち悪くなってくる。そうも思い、テレビのリモコンを取り、血のように赤い電源ボタンを押した。
テレビは一瞬で消える。
「星和、もう学校へ行く時間よ?」
テレビを消すと同時に、星和の母、君江が台所から出てきた。
「あ、そうだね……」
食べかけのパンを一気に口の中に押し込み、ゴックン! と喉を大きく鳴らすと「ご馳走様!」と言って、二階にある自分の部屋へ行く。
それをニコニコと見る君江。
星和の父、藤吾は昨日から出張のため、明後日までは帰ってこない。
つまり、父と母との三人家族の星和にとって、今日は母と二人だけの時間ということだ。
「よーし!」
学校へ行く準備が完了し、二階からドタドタと忙しなく下りてくる。
「じゃあ母さん、行ってくるね」
「ええ、気を付けて行ってらっしゃい」
いつも通りの登校だ。
いつも通り、その言葉は、天使のようだったり、悪魔のようでもある。
いつ、いつも通りが無くなるかは、誰にもわからない。
いつも通りではなくなる時が、いつかきっと来る。もしかしたら、今日かもしれないし、明日かもしれない。
「さて、星和も行ったし……ねぇ、アナタ、今日の夕御飯はハンバーグよ。アナタと星和の大好物」
ねぇ、と言葉をつなぐ。
「私はアナタが好きよ。アナタになんて言われようと、ずっと、ずっと好きよ。今までも、これからも」
彼女はそう言いながら、少し赤すぎるひき肉をこねていく。優しく、それでいて誰よりも残酷に。
【後書きだと思ってください】
いやー、悪魔のキッチンの再来というかリメイクというか……。
どうもお久しぶりです! あれ、まてよ……
昨日投稿した!
あ、でも昨日は(いらない)あとがきがなかったから、ハハハ……。
さて、まだ序章なんでなんとも言えませぬが、最近pixivというものをしてましてですね、そちら様でも小説を書いているのでガス。その関係でこのシリーズどころか全ての小説投稿が遅くなるかもしれません。
まあわかりませんがねw
もしそうなって、続きが早く読みたいと、読ませろボケぇ! と、思った方がもし、もしいたら(なんかセールスマンみたい)、コメントで言ってください。
そしたらなるべく早くするので!
あ、でも、もしかしたらこっちを先に終わらすかもしれませぬよw
えー、ではこの辺で……
(◎´艸`{ばーい