第二章 烈火祭り
キャァー!
人が甲高い声を上げる。
烈火祭りが行われる神社は火の海と化していた。
逃げ惑う人々と反対に、火の中に入り込もうとしている者達がいた。軍の中でも最高クラスの小隊しか着れない制服をまとった『正十字石英隊(せいじゅうじせきえいたい)』だ。
正十字石英隊は全員で4人、隊長は無双兄貴と呼ばれる、志井間哮(しいまたける)だ。
そして副隊長はファニフィエロ・リバーンだ。ファニフィエロは主に戦略を練る係。
後の二人は、ヒイロと人色(といろ)と言う名前。人色はこの隊唯一の女兵士だ。ヒイロと人色は恋人同士で、テレビ番組なんかでよくある「この戦いが終わったら、結婚しよう」という約束をしていた。なんか臭い。
二人とも戦闘兵だ。
「あーあ、燃えちまってるねー」
気楽にものを話しているのが隊長、哮だ。
顔は笑っている。だが、目は笑っていない。
「ここを見る限りでは、原因は烈火祭りの火だけではないようだね」
続いてファニフィエロも口を開く。
「おお、さすが!」
また気楽に笑う哮。
「ヒイロ、人色、情報が欲しい。そこら辺をちょっと見てきてくれないか?」
ファニフィエロがそう言うと二人とも「分かりました」とだけ言い、走り出した。
二人が見えなくなったあたりで哮が喋り出す。
「……んで、結局のところ、お前はどう思う?」
ファニフィエロが何のことだというふうに哮を睨む。
「今回のこと、帝国が絡んでると思わないか?」
「ああ、だが――」
ガチャーン!!
遠くで物音がした。
「なんだ今の音は!?」
先に声を出したのはファニフィエロだ。哮は顔にシワを寄せながら全体重を前にやり、思いっきり物音がした方向へ進む。
先をこされたと思いながらも、ファニフィエロがあとを追う。
ガーン!
二度目の物音だ。
「あああーっ!!」
男の悲鳴がする。誰かが例の物音に巻沿いをくらったのだろうか。
哮の足が加速する。
ファニフィエロは改めて哮は凄いと感じた。
前にいる人間が、人間じゃないような気がして。
「キャァー!!」
続いて女の悲鳴が聞こえる。物音がなかった。つまり、
「物音が原因じゃない!?」
ファニフィエロは哮が言ったことについてもっと詳しく考えていた。
……物音が原因じゃないとするなら、
そして一つの答えに廻りついた。
答えが出た後すぐ、哮に言う。
「気をつけろ、何者かが居る。それも強いぞ!」
「そんなことはわかってる、だが、闘わないといけないんだ」
さらに加速する。
さすがにこのスピードにはついていけず、ファニフィエロはだんだんと哮との距離が離れていった。
○
哮は物音があったと思われる現場に着いた。
人の姿はない。
「誰かいるんだろ、出てこい!」
哮が声を上げるが誰も出てこない。
哮は誰もいなんじゃないか? とファニフィエロを疑うが、確かに人の気配がする。
絶対にいる、絶対に、
ガサガサッ
草むらから何かが動いたような音が聞こえた。
「……いたか」
哮は何かが動いた音が聞こえた野草の方へ行く。
「ん?」
背中になにか冷ややかな感触があたっているような気がする。それは徐々にピリピリしてきた。
そしてすぐに痛みへと変わった。
「ングッ!?」
このヒヤッとする感覚、この鋭い痛み……
哮は後ろから何者かにナイフを刺されていた。
ナイフは果物ナイフで殺傷力はあまりない。
しかし痛いのは痛い。刃物が細く、鋭いせいか、ピリピリして痛みが増す。
……誰が刺した?
痛みをこらえて後ろを見るが、誰もいない。
「チッ、ふざけやがって!」
多分背中から血が出ているだろう。そう思い背中を触る。なにかベターっとしたものが手につく。
それを見た。
「なんだこれ……」
紫の液体が手を覆い尽くしていた。
絶句。
その液体は手を動かさなくてもニョロニョロ動くのだ。
まるで、生き物のように。
そして背中の傷から、なにかが入っていく。多分、いや、確実に手についた液体と同じ物だろう。
全身に凍るような寒気が走る。
もはや哮は動けなくなってしまっていた。
怖い、気持ち悪い、嫌だ、死にたい。
頭の中を負のエネルギーが回る。
――それからは、無い。
ファニフィエロは何かが聞こえたような気がした。
だが物音などしていない。
特に気にせず、前の敵を見た。
これが最後の敵だと思いながら。
おいコラ、アルス君どこやった!
アアアアアアアアアアアアアアアアルス君がぁぁぁぁぁぁぁ!!!
というのは嘘で、お久しぶりです。ピンキーです。
頑張りました。
言いたいことはそれだけです。
そういえば、この小説を大幅修正したものを今書いています。
とてもしんどいです(笑)
まあそのうち投稿しますので、ぜひ見てください!
ではでは~